2017/02/28

■新年詠はやっぱ共感?

この時期の結社誌・同人誌には、正月の句がたくさん載る。

たつぷりと見し初夢の覚めて無し  小川軽舟〔*〕

ああやはり七草が歯にはさまりぬ  笹木くろえ〔**

どちらの句も、誰もが身に覚えがある事象。正月は、共感の成分の多い句が、めでたい。

〔*〕『鷹』2017年3月号
〔**『鏡』第23号・2017年2月1日

2017/02/27

■句会サンド

くにたち句会、無事終了。

アフター句会(っても合評ですでに飲食には入るんだけれど)、今回は、嫁はんが千葉のほうでステージ(プレ本番的な)。帰りが少し遅い。なので、

サンドイッチ・パーティー

パンと具を用意して、各自が好きに挟んで食べる。

意外に楽しいんですよ。

それに、これなら、嫁はんがいなくても、なんとかなる。

パン類:紀ノ国屋
ハム類:コシヅカハム
チキン:鳥たけ
etc
前日と当日に買った。

ピクルスがあったので、刻んでマヨネーズに混ぜる。粒マスタードも用意した。タマゴもなんとなく焼いた。


句会もアフター句会もぜんぶ終わってから、しかし、頭の中がモヤモヤする。

なんか忘れてるような。

で、けさ冷蔵庫を開けて、気づいた。

コシヅカの手作りコンビーフ! 出すの忘れとった!

ごめんなさい。またいつかきっと出します。

席題「座」で

スカラ座のもぎりの春のショールかな 10key

スカラ座は、国立スカラ座。国分寺にピーターキャット(村上春樹経営)があって、でもジャズ喫茶なら、北口のモダンのほうが本格な感じがした、そんな時代の2本立て数百円の二番館。

2017/02/26

■卓上眼鏡ケース

老眼と近眼ふたつ要るのは不便だけど、不便さに慣れていかないと、ね。

良いケースを思いついた日は、良い日。


.

2017/02/25

■某バターサンド 『鏡』第23号の一句

『鏡』第23号(2017年2月1日)より。

マルセイバターサンド常緑樹の林  佐藤文香

いまはJR国立駅敷設の商業施設でいつでも買えるので、ありがたみが薄れたが、北海道みやげといえば、断じて白い恋人うんぬんではなく、六花亭なのであります。

作者・佐藤文香氏にとって、マルセイバターサンドは特別。どう特別かは、掲載誌をご覧あれ。

おめでとうございます。佐藤さん。

何がめでたいのかも、掲載誌をご覧あれ。


それはともかく、あとに続く「常緑樹の林」が、なんとも言えず素晴らしい句。


2017/02/24

■スクリュー 堀込学『午後の円盤』の一句

兄嫁の背のスクリューの密かなる  堀込学

「嫁」の一文字、また「兄嫁」という関係から、性的なものを連想してしまうが、そこにある種の仕掛けが施されると、卑近から離れ、広義の「性」性(≒聖性)を帯びる。

この句の仕掛けはスクリュー。スクリューという、陸生(人間はだいたいそう)には不要のものを背に隠し持つ彼女は、狭義の性を超えて、不思議な機械。

掲句は堀込学句集『午後の円盤』(2013年7月/鬣の会)より。


■恋まで行きました

歌仙「自転車」の記事、更新のたびに下に行きますが、このブログの右上にリンクを貼っています。

2017/02/22

■「見えないもの」の話

いいね♥を押すとたましいを取られると信じている。
http://yoko575.blog.fc2.com/blog-entry-183.html(やさしさ。:川柳もと暗し)
SNSに「たましい」の話は不向き。というか、目に見えないもの・目に見えにくいものは、SNSに不向き。

写真はSNSによくフィットする。


SNSに限らず、ブログも、インターネットのぜんぶも、目に見えないもの・目に見えにくいものを扱う場所ではない。そこでは、見えないものが可視化されるのではなく、見えるものをさらに容易に見えるように、というわけなのですよ。エラく当たり前のことをあらためて言ってるだけです。ごめん。

2017/02/19

■「冷遇ガール」つれづれ

≫俳句という鵜飼 「冷遇ガール」をめぐる中島憲武✕三島ゆかりの対談
https://togetter.com/li/1081868

文意と意味は(ここで厳密に用語するわけではないですが)、別のことでしょう。

文意の了解性がきわめて低い句、それはたくさんあります。でも、意味をまとっていないわけではありません。

ヘンな(またヘタな)喩えですが、シュールレアリスムの絵には、色もかたちも、ある。

と、ややこしい(けれども本質的な)話とは別に、「ガール」含みの句はそれほど多くない。

やはりこれを挙げておかないと。

退屈なガソリンガール柳の芽  富安風生『十三夜』(1937年)

ちなみに当時の自動車保有数はトラック、バス、二輪車を含め、21万台強。現在(8000万台強)台の約400分の1。って、俳句と関係のないとこに興味が行っちゃったけど、意外に多くないですか。昭和12年で。その普及数なら。

http://nakaco.sblo.jp/article/41535922.html

2017/02/16

▼歌仙:自転車の巻

突然ですが、歌仙を始めます。

石原ユキオさんから発句をいただきました。

初折表 自転車で空港へゆく日永かな  ユキオ
      東南東の風をおでこに  天気
    黒猫は麻雀卓をぬけだして  牟礼鯨
      洋梨パイの焼き上がる頃  夜景
    月代を盛るにはうすい玻璃の皿  りえ
      蘆刈る舟のものがたりせむ  若之
初折裏 アイコンのきのこが熟す指の先  紫乙
      いまふられたら寂聴になる  オ
    離さない死ぬまでもとい次の世も  気
      宇宙の塵をさらふ蜘蛛の囲  鯨
    はつなつの下宿でめくるトムキンス  景
      神田川から酔拳の声  え
    狙撃より確かで冴えてゐる月の  之
      凍土の中を進むマンモス  乙
    留置所で教へてもらふのりピー語  オ
      三日三晩を汽船に揺られ  気
    国産みの火山にかかる花の雲  鯨
      まづ新婦から羊の毛刈る  景
名残表 鉄球にびくともしないコシノビル  え
      重力の罪深き木星  之
    たはむれのはじめにめくるカレンダー  乙
       褌みせてくれるんでせう  オ
    汝が胸に吾が息 とほく泳ぎきて  気
      涼気を運ぶ短波放送  鯨
    恋文にじらさないでとだけ書いて  景
      ふたりで金の孔雀を飼はう  え
    剝製のやうに無害なソクラテス  之
      防腐剤から望月こぼれ  乙
    猿酒を譲つてくれるかものはし  オ
      長椅子にぽつねんと虫売  気
名残裏 歩を成らす人工知能負かすため  鯨
      虹のむかうに靴放り投げ  乙
    牛頭馬頭とヒッチハイクで品川へ  え
      もつとひかりを(レモンヱロウの)  之
    剝落の花となりたるフレスコ画  景
      千年かけてふらここを漕ぐ  オ

どなたか、この歌仙に参加しようという方、コメント欄に、第三句をお願いします。発句・脇句のやりとりから離れ(場所や時間、雰囲気をひきずらず)、無季、「て/にて/らむetc」止めで、第四句以降に向けて勢いをつけてください。

付句とは別に参加表明だけも歓迎です。

なお、ルールは緩いです。わたくしめの捌きはいいかげんです。愉しければ、それでオッケー。

打越その他、参考サイト↓
http://www.asahi-net.or.jp/~xl4o-endu/rule.htm



動画は適当に換えていきます。



2017/02/15

【お知らせ】2月のくにたち句会

2017年2月26日(日)14:00 JR国立駅改札付近集合

句会場所:ロージナ茶房(予定)。

席題10題程度

句会後の飲食もよろしければどうぞ(会費アリ)


初参加の方は、メールtenki.saibara@gmail.com)、電話etcでご一報いただけると幸いです。

問い合わせ等も、上記メールまで。

2017/02/13

■梅のこと

咲くまでの梅を不思議な木と思ふ  正木浩一


梅の句といって、咲いている句よりも、この句を思い出すのは、なぜだろう。

梅は、老木の洞を見つめたり、枝ぶりを眺めたり、木も飽きない。それは、もともとそうなのか、この句を知ってからなのか。わからないけれど、おそらく後者。


掲句は『正木浩一句集』(1993年/深夜叢書社)より。



2017/02/11

■チャーハンは早春の感じです

チャーハンも得意種目であります。

食べ物の記事が3日続きましたが、すでに末法の世なので、問題ありません。


2017/02/10

■春はたまご焼き、という気がします



たまご焼きは得意種目であります。

ちょっと焦げ目が多いけど。

2017/02/07

■ジャクソン5・リミックス祭り

踊らなむ。

句会後のダンスタイムにご自由にお使いください。








2017/02/05

■外階段:江東区森下あたり

某日。江東区森下へ。ひとり2時間ほど散歩。小名木川の川べりは以前、清澄庭園方面から隅田川へと歩いたのですが、今回は、森下駅から隅田川へ出て、そこから小名木川へ、ぐるっと四角くコースをとって、森下駅付近に戻るという経路。





2017/02/04

■フレンチトーストはどこで切り分けるのか

五七五マニアなのではないかと思います、自分でも。

五七五が好きすぎて、数々の変則五七五も、大好物。文節的には七五五(例:愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子)は言うに及ばず、下が字余りの五七六も大好きですし、上の字余りなんて六七五などとケチなことを言わずに、二桁音数+七五さえ、許容です。

で、今回とりあげるのは、中七から下五にかけて、リズムの工夫、というか、ネタを仕込んだ例。


三月のフレンチトーストと絵本  木田智美 


    さんがつのふれんちとーすととえほん
文節 ●●●●●●●●●●●●●●●  5 9 3
定型 ●●●●●●●●●●●●●●●●●  5 7 5
韻律 ●●●●●●●●●●●●●●●  5 7 1 1 3


実際に読むときは、意味から来る文節が、定型五七五に引っ張られて、

  さんがつの//ふれんちとーす/と/と//えほん

となります。

この句のキモのひとつは、=「トと」の箇所。ステキなリズム。


とーすととすととすととすとと…

「とー」で溜めて、「すとと」は3連符で鳴らしてください。

で、「ぇほん」とアフタービートで。


掲句は『関西俳句会「ふらここ」作品集』(2016年3月)より。



2017/02/03

■地獄と青空

ひょんなことから「さよならポニーテール」というもの(音楽グループ?)のメンバーであるところの(?)「みぃな」という人の弾き語りを聞く。



オリジナルはこちら。



もうひとつ、「みぃな」の弾き語り。



オリジナルはこちら。
https://youtu.be/X1OIUPZJcJc

2017/02/02

■情と事と抒と叙と俳句

(もちろん、俳句は必ずしも「どう抒情するのか」という問いに答えなければならないものではないのだろう。その意味では、俳句は必ずしも抒情詩ではないのだろう。だが――)。福田若之 「どう抒情するのか」という問いにどう答えるか
http://hw02.blogspot.jp/2017/01/blog-post_31.html
俳句は、なんなんでしょうね。抒情詩でも叙事詩でもないような気がします。

ひょっとしたら、〈抒〉でも〈叙〉でもないのかもしれません。


2017/02/01

■今年の梅

うちの前の梅が満開に近づいています。今年は梅が早いみたいですね。