桐島、部活やめるってよ(2012年)がえらく良かったので、吉田大八監督の他の作品を観てみよう、ということで、
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007年)
クヒオ大佐(2009年)
パーマネント野ばら(2010年)
と3本たてつづけに、DVDを借りて、観ました。
どれもおもしろい。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は、主演の佐藤江梨子をはじめ、女優陣が素晴らしい。「パーマネント野ばら」は、やはり女優陣がなかなか良いのです。「クヒオ大佐」は、主演の堺雅人がいい(テレビドラマを含め、登場人物をきちんと演じ分けられるのですね。上手)。
どれも元になる本(クヒオはノンフィクション)があり、物語の骨格がしっかりしている感じです。
で、 『パーマネント野ばら』(西原理恵子)、映画ではすんなり行くであろうラストの処理は、マンガだとどうなのだろう?と心配しつつ読んでみたのですが、あらま、きちんと出来ている。
クヒオ大佐という情けない結婚詐欺の話は、小沢信男『犯罪紳士録』で読んだことがあるような気がして確かめてみると、また別の詐欺師でした。でも、似ている。「こんな胡散臭いのに、なぜに引っかかる?」と呆れるところも共通。でも、詐欺被害、とくに結婚詐欺被害って、そんなものなのでしょうね。恋愛沙汰で利口にふるまえる人は、男女かかわらず、いない。みんなバカになる。バカになるから、いいんですよね。
あ、それと、クヒオも『犯罪紳士録』の詐欺師も、「アメリカ」が鍵になっているところも共通。
●
4作品の気に入った順をつける必要もないのだけれど、つけると、桐島=腑抜け>野ばら=クヒオ、というような感じか。
話の好みでいえば「腑抜け」が好きで、感心するのは「桐島」。「野ばら」「クヒオ」もずいぶんおもしろい、という感じで、どれもオススメ。
なお、現在は、『腑抜けども~』も、原作本を読んでみる気になっているところです。
0 件のコメント:
コメントを投稿