連句/連鎖

2013/12/02

■まとめて観る:吉田大八監督

桐島、部活やめるってよ(2012年)がえらく良かったので、吉田大八監督の他の作品を観てみよう、ということで、

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007年)

クヒオ大佐(2009年)

パーマネント野ばら(2010年)

と3本たてつづけに、DVDを借りて、観ました。

どれもおもしろい。

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は、主演の佐藤江梨子をはじめ、女優陣が素晴らしい。「パーマネント野ばら」は、やはり女優陣がなかなか良いのです。「クヒオ大佐」は、主演の堺雅人がいい(テレビドラマを含め、登場人物をきちんと演じ分けられるのですね。上手)。

どれも元になる本(クヒオはノンフィクション)があり、物語の骨格がしっかりしている感じです。

で、 『パーマネント野ばら』(西原理恵子)、映画ではすんなり行くであろうラストの処理は、マンガだとどうなのだろう?と心配しつつ読んでみたのですが、あらま、きちんと出来ている。

クヒオ大佐という情けない結婚詐欺の話は、小沢信男『犯罪紳士録』で読んだことがあるような気がして確かめてみると、また別の詐欺師でした。でも、似ている。「こんな胡散臭いのに、なぜに引っかかる?」と呆れるところも共通。でも、詐欺被害、とくに結婚詐欺被害って、そんなものなのでしょうね。恋愛沙汰で利口にふるまえる人は、男女かかわらず、いない。みんなバカになる。バカになるから、いいんですよね。

あ、それと、クヒオも『犯罪紳士録』の詐欺師も、「アメリカ」が鍵になっているところも共通。

 

4作品の気に入った順をつける必要もないのだけれど、つけると、桐島=腑抜け>野ばら=クヒオ、というような感じか。

話の好みでいえば「腑抜け」が好きで、感心するのは「桐島」。「野ばら」「クヒオ」もずいぶんおもしろい、という感じで、どれもオススメ。


なお、現在は、『腑抜けども~』も、原作本を読んでみる気になっているところです。


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