現代俳句協会青年部が「変態俳句」についてアンケートを集めていることを知り、ちょっと調べてみた(ググっただけ)。
とりあえず「羽化」。
「羽化登仙」的な比喩は多く見つかるが、ちょっとぴんとこない。とくに作者本人の「羽化」となると、どうしてもナルシズムが入ってしまう。で、そういうのを除いていくと…
人参を擂るおとうとの羽化のため 佐藤鬼房
父の忌に羽化する蝉のうすみどり 橋本薫
耳鳴りのあの夕暮は蝶の羽化 柿本多映
羽化のもの遠くへ犀の革ごろも 中島斌雄
といったところがお気に入り。「おとうとの羽化」は比喩だけれど、あやしい。
中島斌雄は迫力があるなあ。むかしもっと読んでおけばよかった。
「羽化」そのものを描写した句も多いが、だいたいは一味足りず。その点、橋本薫さんのは「父の忌」との照応が透明感をもたらしている。
なお、「蟬の殻」「空蟬」といった季語も関連してくるが、それだと範囲が広くなる。
(すっとぼけ)
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