連句/連鎖

2013/08/02

■火星ほか 『川柳木馬』第137号

同じ作風の人が集まって俳句同人誌をつくるパターンもあろうかと思う。それはそれでいいと思う。まったく違うのに、同じ同人というのも奇妙なことだから。

『川柳木馬』第137号(2013年夏)に並んだ同人諸氏は、それぞれ「別のこと」をしようとしているように見える。川柳は不案内でよくわからないから、それが『川柳木馬』の事情なのか川柳全般のことなのかはわからない。

俳句の同人誌では、「お一人様御一句」をいただきます、ということが、それほど社交辞令ではなく出来るが、みなが「別のこと」を志向している場合、私という読者と、波長のようなものが合えば、たくさんの句がしっくりくるし、 そうでない場合はそうでなくなる。

以下、気ままに何句か。

火星からこぼれた種か烈女たり  桑名知華子

三角や四角の涙雨しとど  同

普遍とは顎にたしかな噛みごたえ  内田万貴

十年も抱けば香りだけになる  同

しかられて今夜はにんにくのかたち  小野善江

ヴィンラディンではないか丘に立つ霧  西川富恵

日本書紀傍線部分から出火  同

玄関に満月がきて泣いている  同

付け睫毛草間弥生と瓜二つ  同

こうしては居れぬカレーを口いっぱい  畑山 弘

妖怪が探してまわる貸家札  濱田久子

絵葉書で届く姉さんの王国  清水かおり

いつまでと聞いてくる梱包の舌  同

石臼の重さ千年眠り込む  古谷恭一


『川柳木馬』は発行人・古谷恭一。A5判、本文24頁。編集室のメールアドレスとして、kaori-mokuba@apost.plala.or.jp の記載がある。

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