同じ作風の人が集まって俳句同人誌をつくるパターンもあろうかと思う。それはそれでいいと思う。まったく違うのに、同じ同人というのも奇妙なことだから。
『川柳木馬』第137号(2013年夏)に並んだ同人諸氏は、それぞれ「別のこと」をしようとしているように見える。川柳は不案内でよくわからないから、それが『川柳木馬』の事情なのか川柳全般のことなのかはわからない。
俳句の同人誌では、「お一人様御一句」をいただきます、ということが、それほど社交辞令ではなく出来るが、みなが「別のこと」を志向している場合、私という読者と、波長のようなものが合えば、たくさんの句がしっくりくるし、 そうでない場合はそうでなくなる。
以下、気ままに何句か。
火星からこぼれた種か烈女たり 桑名知華子
三角や四角の涙雨しとど 同
普遍とは顎にたしかな噛みごたえ 内田万貴
十年も抱けば香りだけになる 同
しかられて今夜はにんにくのかたち 小野善江
ヴィンラディンではないか丘に立つ霧 西川富恵
日本書紀傍線部分から出火 同
玄関に満月がきて泣いている 同
付け睫毛草間弥生と瓜二つ 同
こうしては居れぬカレーを口いっぱい 畑山 弘
妖怪が探してまわる貸家札 濱田久子
絵葉書で届く姉さんの王国 清水かおり
いつまでと聞いてくる梱包の舌 同
石臼の重さ千年眠り込む 古谷恭一
『川柳木馬』は発行人・古谷恭一。A5判、本文24頁。編集室のメールアドレスとして、kaori-mokuba@apost.plala.or.jp の記載がある。
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