首か椿か持てない方を置いて行く 佐藤りえ
佐藤りえ『いるか探偵QPQP』(2019年5月/文藝豆本ぽっぺん堂)は、虚構的(というだけで忌避する俳人もいるけど、私はそうじゃない)な句群で、ストーリー性のある小さな(手のひらサイズ)句集。
掲句。素っ首と椿の併置が耽美。あやしい。どっちを持っていったのか確定させないのは俳句的にはかなり変則だけど、これによって併置/相同の働きが強まる気がする。
解題的な散文に、「
QPはこの探偵のニックネームである。きゅるきゅる、という鳴き声からいつしかそう呼ばれるようになったという」とあるが、私は、句集名を「くぷくぷ」と読んで、いるかが鳴いているみたいで、かわいい! と思っていたよ、くぷくぷ。
0 件のコメント:
コメントを投稿