誰だ?
…という。ふうに思わせたら、もう、こっちのものなわけです。
海峡を純子の耳が通過する 山田露結
勝手気ままで、いいかげんな句(というと作者は怒るかもしれませんが、褒めてます)が、世の中には、あったほうがいいです。リキ入りまくった句やら、上手に形の出来上がった句ばかりでは息苦しい。
この句、シュールというには演歌すぎる。これ、美点。
「泳ぎきる」ではなく「通過」なので、レーダーのまるい画面を「純子の耳」が点滅しながら過ぎていく景が浮かぶ。とすれば、「純子の耳」は軍事的な符牒かもしれません。
掲句は「カットアップ試作5句~その3」より。
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