献句 ひかるなり川も柳もゆつくりと 10key
満月を開ければ 何もない廊下 川合大祐
満月の裏はくらやみ魂祭 三橋敏雄
廊下をさらに行けば、きっと裏。この廊下、「何もなさ」加減が尋常ではない。ちなみに、三橋敏雄は「府中くらやみ祭」を知っていたのだと思う。季語「魂祭」はそこが誘引。
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図書館が燃え崩れゆく『失われ 川合大祐
ビル、がく、ずれて、ゆくな、ん、てきれ、いき、れ なかはられいこ
『失われた時を求めて』が消失の途中。字が意味を離れてブツ化していながら、「失」という表意文字は最後まで残る。後者は、2001年アメリカ同時多発テロ(9.11)の3か月後に発行の『WE ARE!』第3号所収、という意味でも21世紀を代表する句に。ともに、カンバスにブツとしての文字を、あるいは宙空にオブジェとしての文字を配したような句。
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我思う「これは川柳ではない」と 川合大祐
我思ふ故に猫あり春の小火 攝津幸彦
前者、デカルト+マグリット。後者、恋猫を連想させる(ぶん、飛距離はそこそこ?)。上五が同じなだけで、句の方向が違う。けど、これはこれで、並べて眺めていると、気分がふわっとしてくる。
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ウルトラの制限時間超えて滝 川合大祐
ウルトラマンを脱ぎ捨てて俺栗の花 佐山哲郎 『じたん』2001年
ふたつ並べると、滝と汗がつながって、これは、並べたらあかん組み合わせかも。
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潰すまえ仮に水母と言っておく 川合大祐
渾沌をかりに名づけて海鼠かな 正岡子規
「仮」つながりで選んだが、なんだか「存在のありよう」みたいなところでつながる感。
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年を以て巨人としたり歩み去る 高浜虚子
巨人立つその後の便座もてあます 川合大祐






