2026/10/27

■柴田千晶句集『魚女房鶴女房』レビュー・追補

『週刊俳句』第1018号に句集を書きました。

この一句のほかに何句か紹介しておきます。

麻酔より覚めて見知らぬ汐干潟  柴田千晶(以下同)

四階に幽霊もゐる製本所

不思議な感覚。むりやり現実的な景に近づける読み方(病院の窓の外の干潟とか、倉庫に幽霊本とか)だとつまらなくなる(そんなふうに読む人がいないことを望む)。目覚めの瞬間として、製本所の四階というトポスとして、句の興趣が伝わる。

罵声怒号奇声も浴びし裸かな

3つの声が並列(同時)ではなく、《罵声怒号》と《奇声も》が微妙に重ならないところがおもしろい。

経緯が明示されていないぶん、俳句的・詩的(いわゆる説明文ではない)。この裸、追い詰められ、大袈裟にいえば迫害される《裸》のようだが、卑屈ではない。《全人類を罵倒し赤き毛皮行く 柴田千晶》と同系統の気位・意気のようなものを感じる。

仏壇に黄金の橋春の雪

は、スケールの変換があざやか。《春の雪》を切れたあとの取り合わせとだけ読むよりも、仏壇の中の橋に、現実の橋に、どちらにも降る雪と読んだ。


柴田千晶『魚女房鶴女房』2026年7月/金雀枝舎

2026/10/20

【句集をつくる】第31回 なるほど、オン・デマンド?


谷雄介第一句集『ニュース』は、ツイッター上で贈呈を公募(谷雄介アカウント)。なるほど、これなら、「贈呈されて迷惑だろうな」とおそるおそる封入することもない。「欲しいって言ったんだから贈るよ」ということで、合理的。

おもしろいことを考えるもんだと感心して、インタビューを申し込んだ。

≫〔著者に訊く〕谷雄介句集『ニュース』

メールのやりとりだったけど、おおよそ20年ぶりに会話をかわしている気分で、なつかしかったのですが、それはそれとして、贈呈公募。ちょっと怖ろしい気もする。もしこの先、句集をつくることになっても、やらないだろう。

なので、ディストリビューションの問題は、依然として大きい。

だが。

そんなことを心配する前に編めよ。

というのが、正しい。

2026/09/10

■ライヴやります。10月17日(土)くにたち地球堂

●2026年10月17日sat 13:00 開場 13:30 開演

●くにたち 地球屋 チャージ1500円+ドリンク

●出演順 ツーマンです。

128sイチニッパーズ
Shiori vocal Goro bass, vocal Masaru percussions Yuki piano Tenki guitar

荒野の水槽楽団
近藤十四郎vocal, guitar 鈴木等guitar はらかなこbass 渡辺アッキーdrums 池田ぽんbaritone sax. ヨッケsoprano sax.

地球屋さんはJR国立駅南口から大学通りの左側を南へ5分。一橋大学東校舎の数軒手前の地下です。

2026/07/08

■すててこ始末記

句会で、すててこ(夏の季語)の下にパンツをはくかどうかが話題になった。

どっちでもいいと思うから、「どっちでもいい」と言ったら、なんだか非難ぽい声が多かった。はかないの、絶対ダメ、ということらしい。

人類はパンツの締め付けから解放されるべきです。そう言明したかったけれど、うんぬんするほどのテーマでもないし、ゆるめのパンツにすればすむことでした。

すててこやお城に赤い日が沈む 太田うさぎ

●

ところで掲句。「や」の前後(すててこ+お城に~)の構造というか成り立ちが不思議。

ひとりで抱え込まずどなたかと語り合いたいたぐいの不思議なので、『週刊俳句』の「俳句なんやかんや」で語り合ってやってもいいぞ、という方、ご一報を。

2026/07/05

■「音数歳時記」活用句会in名古屋のお知らせ

『音数で引く俳句歳時記・秋』を片手に席題を作句。刊行以来、大阪、神戸、京都、大津、仙台と巡業してきたイヴェント。こんどは名古屋です。

●2026年9月5日(土)13:00~16:30

●場所:イーブルなごや https://e-able-nagoya.jp/tours/access/

●参加費 500円

紅紫あやめさん+瀧村小奈生さんのプロデュース。感謝感謝であります。

詳細と参加お申込みはこちら▽