2019/03/30

■毛布から

地球とかメツボウしないかな 毛布  八上桐子

同タイトルのブログ記事より。

散文的な意味で筋道をつけるなら(それが句にとって良いことかどうかはまったく別として)、出だしから中盤までのセリフを、毛布にくるまった人が、あるいは毛布の中から口にしている、と読める。

毛布は、世界と対峙するときの殻(衣服よりも要塞感が強い)なわけで(頻繁に使用されるモチーフ)、「メツボウ」(カタカナ表記、いいなあ)を願う/望むに最適な道具立て。

そんなふうに《意味を通してしまう》ことをしても、私にはじゅうぶん面白いのだけれど、最初に言ったように、辻褄を合わせる読みが良いのか悪いのか、いまのところ不明(将来も不明?)。

毛布からのぞくと雨の日曜日  加藤かな文(句集『家』2009年8月)


それにしても寒い。花冷えは毎年のことだけれど。



2019/03/29

■相変わらず『鷹』の表紙がかわいい



目に見えで闇に雨降る二月尽  小川軽舟

2019/03/28

■音楽的(?)日常

40年ぶりにギターを手に入れたのが2016年1月(≫こちら)。指を動かすのはボケ防止にいい。そんな動機も表向きにはあって、そこから3年経過。まがりなりにもバンドを組むことになろうとは。おまけにライブなんぞに出ようとは。人生わからないものです。

で、1週間後のリハーサルに向けて、構成表をつくったりもするわけです。


五線譜を使ってはいても、私は楽譜を読めない・書けないので、文字どおり構成、それから部分的にコードやら「ここでこうする」といった決めごとを書き込んで、PDFにして(今は便利ですね)、全員にメール送信。なんか仕事を終えた気分(じつは、これからの個人練習のほうがたいへんなんですけどね)。

音楽は大好きなのに、なによりも好きと言っていいくらいなのに、素質・才能・適性がゼロ。これって、そうじゃない人には想像できないくらい悲しいものなんですよ。

でも、落ち込んでもしかたないので(好きでやってるんですから)、ほがらかにがんばるつもり。


2019/03/21

■ピスタチオその他

ピスタチオの素焼き。袋に塩を放り込んで馴染ませる。旨くて止まらない。白身の焼き魚みたいな味がするのは、私の錯覚か、味覚音痴なのか。ともかく止まらない。

(ピスタチオが大きくなると太刀魚になるのかもしれない)

あ、そうだ、と、デジカメにフィルムカメラ(OM5)の重たいマクロレンズを装着。筋トレみたいに腕が疲れる。おまけに目の衰えもあって焦点がなかなか合わない。それでもってピスタチオを撮影。

なんだかわからない写真というのは、楽しくて。どうせなら、週俳のトップ写真向けに、上をぺたっとあけた構図も撮る。ふだん、このトップ写真、応募も含め、素晴らしい写真がもっぱら。たまに、「なんだかわからない写真」があっていいよね。って誰に訊いてる?

つうか、ほんと、筋トレだ。重い重い、言いながら(心の中で)、アボカド撮って、なんか撮るものないか、と、ひとりうろうろ探して、で、猫も撮ったりして、そんな春分の日。








2019/03/19

■sleepwalk

どうということのない道に夜が来て、自分がそこにいたりする。


2019/03/17

■月の2句

月光の紐がしゅるしゅる声を出す  石部明〔*1〕

月光が釘ざらざらと吐き出しぬ  八田木枯〔*2〕

どちらも目と耳とに同時に届く。


〔*1〕『THANATOS 石部明』4/4(2018年9月)
〔*2〕八田木枯『鏡騒』(2010年9月/ふらんす堂)

2019/03/15

【お知らせ】3月のくにたち句会は桜が咲いてるかもですね

2019年3月31日(日)14:00 JR国立駅改札付近集合

句会場所:ロージナ茶房(予定)

席題10題程度

初参加の方は、メール tenki.saibara@gmail.com電話etcでご一報いただけると幸いです。問い合わせ等も、このメールまで。


2019/03/08

■横浜へ

明後日の日曜日(3月10日)、横浜に行ってきます。

三島ゆかりさんに俳句ロボットについてお話をうかがうというイベント。




気が向いたら、どうぞ。どなたの参加もオッケーみたいですよ。

なお、俳句ロボットの週俳関連リンク集は、こちら↓

2019/03/02

■クレイジーな疾走

ブリ振って投げて走って Oh, yes! Amanohashidate! 転がり落ちる 吉田奈津

『川柳スパイラル』第4号(2018年11月)の特集「俳句の現在・短歌の現在」で、暮田真名が紹介した歌。『外大短歌』第7号掲載とあるので、作者は学生かもしれません。

一種奇行。疾走感が備わっています。走ると書いてあるから、だけでなく、ね。

逃げながら鶴を折る人法隆寺  谷雄介

という句を思い出しましたよ。これも奇行かつ疾走感。

はじめに挙げた歌は定型(57577)ですが、この人には破調も多く、その韻律も含めて、リズム、グルーヴがあるんですよね。

中学校がこんなにも嬉しく光るなんてふざけたゾンビ映画みたいだ 吉田奈津

ほかにも読んでみたいと思いましたよ。

ラヴ&ピース!





2019/03/01

■冒頭集:自分の墓

新しいオカルト映画という触れ込みで封切られた『リーインカーネーション』は、これといったく話題にものぼらず早々に終ってしまったが、中にひとつ、マイケル・サラザン扮する主人公ピーターが、悪夢の中にきまって出てくるジェフという男の墓を訪ね当てる場面がある。このジェフこそが前世の自分なので、輪廻転生を遂げたとも知らぬピーターは計らずも自分の墓を眺め、手まで触れたことになるわけだが、こちらといえば先祖代々の墓とやらは山口市にあって、明治の初年からようやく東京っ子の仲間入りをし、墓参の習慣を持たぬ一族の裔(すえ)のせいであろうか、こうした"過去の自分の墓"をどうにかして探し出したい、一度だけめぐり会いたいという願望は、私にも久しくあった。(…)
中井英夫『墓地 終わりなき死者の旅』(1981年/白水社)