表音文字であるひらがなの連なりから意味を読み取るとき、いくつかの候補があがることがあります。
ローソクもつてみんなはなれてゆきむほん 阿部完市
この句、
〈みんな離れてゆき謀反〉
と読み取るのが一般的のようですが、
〈みんなは慣れてゆき謀反〉とも読めます。
あるいは、
〈みんな離れて雪謀反〉〈みんなは慣れて雪謀反〉。雪が挟まるのはちょっと無理があるけれど、可能性としてゼロではない。
どれが《正しい》のか、妥当なのか、私には判断がつきません。だから、悪いとかまずいとかという話ではなくて、みんなはどう読んでる? って話。
これと同じことを思うのが、『えーえんとくちから』という書名。
えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい 笹井宏之
と作者が解読済みですが、この歌を読むまでは、
〈永遠と口から〉
なのか
〈永遠解く力〉
なのか、どっちなんだろう? と思っていました。
もっとも、これ、「えーえん」という表記に、〈永遠と口から〉と《誤読》させるような意図も感じられないこともない(つまり漢字の宛て方や意味をわざと確定させない)。
口から漏れる語としての永遠、というのも、単独のフレーズとしてかなり魅力的に思うのですが。
ラヴ&ピース!
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