2018/12/29

■みんなひらがな

表音文字であるひらがなの連なりから意味を読み取るとき、いくつかの候補があがることがあります。

ローソクもつてみんなはなれてゆきむほん  阿部完市

この句、

みんな離れてゆき謀反

と読み取るのが一般的のようですが、

みんなは慣れてゆき謀反〉とも読めます。

あるいは、

〈みんな離れて雪謀反〉〈みんなは慣れて雪謀反〉。雪が挟まるのはちょっと無理があるけれど、可能性としてゼロではない。

どれが《正しい》のか、妥当なのか、私には判断がつきません。だから、悪いとかまずいとかという話ではなくて、みんなはどう読んでる? って話。

これと同じことを思うのが、『えーえんとくちから』という書名。

えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい  笹井宏之

と作者が解読済みですが、この歌を読むまでは、

永遠と口から

なのか

永遠解く力

なのか、どっちなんだろう? と思っていました。

もっとも、これ、「えーえん」という表記に、〈永遠と口から〉と《誤読》させるような意図も感じられないこともない(つまり漢字の宛て方や意味をわざと確定させない)。

口から漏れる語としての永遠、というのも、単独のフレーズとしてかなり魅力的に思うのですが。

ラヴ&ピース!


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