2015/08/14

■旧聞に属しますが〈注目の若手俳人2015〉

もうずいぶん前のこと(いわゆる旧聞に属すというやつです)、『俳句』2015年1月号に「注目の若手俳人21人 under 40」というページがありました。そこから気ままに。

見えてゐて京都が遠し絵双六  西村麒麟

自転車が蟬の羽音を立てて去る  佐藤文香

北風や濡れて渚の砂緊まる  村上鞆彦

冬帽子とるや短く釘の影  生駒大祐

寒林のまへのおほきな木なりけり  堀下翔

冬ぬくし注ぐと動く紙コップ  小野あらた

こうした感じのいい句に混じって、

捌かれし蟹の記憶は蟹味噌に  谷雄介

といったバカな句(徹頭徹尾いい意味です)が心に滲みます。


なお、今この8月に読むと、

戦争はブーツの脱げている写真  福田若之

実感があります。シンプルな作りのせいもあるでしょう。素直に気持ちに入ってきます。







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