もうずいぶん前のこと(いわゆる旧聞に属すというやつです)、『俳句』2015年1月号に「注目の若手俳人21人 under 40」というページがありました。そこから気ままに。
見えてゐて京都が遠し絵双六 西村麒麟
自転車が蟬の羽音を立てて去る 佐藤文香
北風や濡れて渚の砂緊まる 村上鞆彦
冬帽子とるや短く釘の影 生駒大祐
寒林のまへのおほきな木なりけり 堀下翔
冬ぬくし注ぐと動く紙コップ 小野あらた
こうした感じのいい句に混じって、
捌かれし蟹の記憶は蟹味噌に 谷雄介
といったバカな句(徹頭徹尾いい意味です)が心に滲みます。
なお、今この8月に読むと、
戦争はブーツの脱げている写真 福田若之
実感があります。シンプルな作りのせいもあるでしょう。素直に気持ちに入ってきます。
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