書庫冥(くら)し紙魚(しみ)は正史を食べのこす 石原ユキオ
※( )は誌上ではルビ
「外史」のほうが美味なのかもしれませんね。「正史」は口に合わない。「BL俳句」なるもの、〈外〉〈異端〉に食指を動かすものであるならば、掲句はいっけんそのネタらしくはないものの、オツなスタイルで主題を射程にした句のようでもあります。
書物のコンテンツ(ソフト)と紙魚の組み合わせはわりあいよくあるのですが、食べ残しのほうに着目した句はめずらしい。
(正史が横溝正史のことだったりしたら、まさかそんなことはないと思いますが、お手上げです、そうは読みたくない)
「冥し」は「書庫」にはムダにも思える重複的な形容ですが、念を押すような構成も必要です。この句の場合、効果があると思います。
『庫内灯』は本文150頁超。ゆっくり読ませていただいています(また取り上げる句が出てくるでしょう)
余談ですが、金原まさ子と同誌編集発行・佐々木紺の往復書簡の数ページ、横組で右頁→左頁と、ページネーションが崩れてしまったのは、とても残念。ここは縦組しか対処できなかったところ。
なお『庫内灯』の問い合わせetcは、以下のアカウント https://twitter.com/blhaiku1 の模様。
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