『川柳カード』第10号(2015年11月25日)。同人諸氏の作品10句ずつが並ぶなか、飯島章友「ほらここに」がおもしろかった。
上向きにすれば蛇口は夏の季語 飯島章友
ふだん俳句に親しんでいる者としては(あるいは、そうでなくとも)、納得感があります。景が思い浮かびやすい(例えばグラウンドの端っこに水道で運動のあとの喉を潤すの図。青春!)こともあり、わかりやすい句です。
わたくしの一指がまじる十二指腸 同
ハ行音まみれの二十二歳だな 同
ほらここにふらここがあるバイカル湖 同
指つながりとか、音つながり(ほらここ、ふらここ)とか、言葉遊び(いい意味です、常に。言葉を遊ぶのは常に、いいこと)の成分が強い。そこへもってきて、「バイカル湖」という有無を言わさずワケのわからない帰結がくっついています。快感ですね。
なお、
球根の寝息かすかな月明かり 同
…といったポエティックな句もあります。広レンジの10句。
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この号では、暴力的でちょっと禍々しい材料に、コクのある諧謔と触感を含ませた次の2句もお気に入りです。
殺さない約束で逢うラヂオ塔 くんじろう
弾薬が泳いでいるよ和金だよ 榊陽子
加えて、表紙にもあるように「第三回川柳カード大会」のレポートも充実。
※『川柳カード』についての問い合わせ等は、以下のサイト。
http://senryucard.net/
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