押入れに入ると兄ゐて夏の果 小久保佳世子
姉妹がいないので、異性のきょうだいというものについて、よくわからない(世に虚構の妹は無数に存在するようだが、それは自分の感覚の参考にはならない)。
ともあれ、強烈に近親相姦的、甘美にイケナイ句であることは一読して判然。
夏の終わり、まだ暑さが残るのであれば、押入れの中の出来事は、なおのこと。
掲句は『街』第128号(2017年12月1日)より。
余談だけれど、送り仮名。俳句は辞書的正則に縛られることはないが、押入、押入れ、押し入れの三者択一なら、押入がうれしい。「夏の果て」を「夏の果」と用字するなら。
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