2019/08/22

■ピーマンと横田基地 関猫魚句集『昭和』

ピーマンの中まで静か月明かり  関猫魚

俳句世間/俳句業界でピーマンといえば《ピーマン切って中を明るくしてあげた 池田澄子》なわけですが、掲句は、音。

無音をピーマンの皮が包み、月光が包む。


関猫魚句集『昭和』(2016年3月20日/私家版)は2015年11月に亡くなった関さんの遺句集として句友諸氏によって編まれた。

関さんは、私が、また関さんが俳句を始めるはるか以前からの知人。長く付き合っていただいた。住処が近かったので、亡くなる直前もお目にかかり、それまでと同じような会話をかわし、同じように笑いあった。

一時期、関さんの店(喫茶店)を句会場所に使わせてもらったが、関さんが私たちの句会に加わることはなかった。それを別にしても句会をともにしたことは数度しかない。関さんがどんな句をつくっていたか、なんとなく知ってはいたが、こうして一冊の句集が私の手元に残され、まとめて句を読めることに感謝。

同句集より、気ままに。

低空のキチキチバッタ横田基地  関猫魚

火男のお面すらして缶ビール  同

高圧線グラジオラスの燃え盛り  同



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