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先日、兼題「席」で、
空席を跨いで虫の音をこぼす 10key
という句を投句。合評で、「虫の音をこぼす」の部分にいろいろな解釈が出たのは、まあ、曖昧な言いざまなので当然として、「空席を跨いで」もまた、どんな席かについて大きく異なる読みがあるとわかって興味深かったわけですが、つまり、劇場の椅子と思った人もいれば、座敷の座布団と思った人もいる。
俳句はしばしば、言い足りずに解釈が定まらない。これを問題とするか(つまり技術的な不備)どうかは別にして、例えば、前後の句の内容で、解釈を限定していくという手はあるようです。
こんどの句集は連作の集合体にする、というのは何度か書きました。前掲句の場合、映画をとっかかりにした連作のなかに置けば、映画館の椅子と読んでもらえそうです。
例えば、俳風昆虫記から、
銀幕に斃れし人よ眼から蛆
モスラ対ゴジラ観て来し夜のシャワー
を持ってきて、いつぞやの「豆の木」にたしか載せた(うろ覚え)、
(上五失念)八月が濡れ砂が濡れ
を加え、さらに他から拾い、さらには新しく作って、映画連作にする。
連作の脈絡から解釈を限定してもらうという方法の良し悪しはさておき、こういう手もある、と思うと、句をまとめるのが愉しくなりそうです。
ラヴ&ピース!
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