わりあいムリクリの「冬の~」「春の~」というフレーズがありまして、正直、そんなに抵抗感がないです。好き嫌いは、まあ、句によるわけですが。
少しずつ雲の流れて冬の螺子 佐孝石画
冬の雲ならわかるが、冬の螺子ってなんやねん? 春の螺子とどう違うのか? などといった意見もありましょうが、句の中で語が軋むところがあってもいいと思うのです。え?と読み手が軽く立ち止まるような箇所。すらっと流れてしまう(一読、つくりや趣向が了解できる)というのではなく、え?と。
螺子の「静」(螺子が動くと不穏です)と雲の流れ。イメージの物理で2つが結ばれて、何気ない。胸やけや胃もたれものないすっきりした仕上がりのなか、「冬の螺子」がちょっと浮いている感じ。それが、興趣です。
掲句は『狼 RO』第42号(2015年3月3日)より。
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