私は、わりあい長いこと、俳句の近くに身を置いているのだけれど、短詩という同じジャンルにある川柳も、たまに読む。読むだけでなく、それについて書いたりする。ウラハイの「金曜日の川柳」で樋口由紀子さんの公休日(第一金曜日)に代打したり、なぜか依頼があって川柳作家・八上桐子さんの作品について川柳雑誌に寄稿したり。
川柳について書く。俳句について書く。頻度はちがってもどちらもやる。でも、このふたつには決定的なちがいがある。そのことに、このあいだ、ふと思い当たったのだ。
それはつまり、川柳をつくるノウハウについて、私は、これっぽちも持ち合わせていないという点。
俳句については、程度や質は置くとして、なんらかのノウハウを知っている。理解している。否、信じるところがあるという言い方が、いちばんしっくりくる。ところが、川柳については、まるっきり。
「入門書を読んでみれば?」「川柳教室に通えば?」といった声があるかもしれないが、いや、川柳のノウハウを学びたいと言ってるんじゃないんですよ。俳句と川柳における、自分の中の決定的な違いを、いまさらのように気づいたという雑談? 自分以外、関心がないであろう閑話(ひまばなし)。
でもね、川柳について書くとき、このノウハウ皆無状態は、良い面もあると思っている。確信じゃないけど。
だって、俳句について書くとき・語るとき、ときとして作句ノウハウが邪魔になったりする。俳句について書くこと・語ることは、評価や審査じゃないので。評価や選句は句会でやればすむことでね。
そんなこんなで、川柳をどうつくればいいのか、皆目わからない状態のまま、ひとさまの川柳作品を快楽しつづけるつもりなので。
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では、良いお年を!
年末年始、私は、うれいしいことに労働に勤しみます。正月をだらっと過ごすのは好きではないので(ふだんだらっと過ごすのは大好き)、正直、「うれしいことに」なのです。
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