ウラハイで紹介されている竹村翠苑句集『摘果』。
鏡餅鏡餅もて割りにけり 竹村翠苑
電子レンジ十秒蝗しづもりぬ 同
このふたつが、ひとつの暮らし、ひとつの厨にある可笑しさ。
簡単にいえば、伝統的なものと現代的なものの併存なわけですが、私たちの暮らし自体、そうなわけで、となると、句集というのは、併存を備えて豊かになるという側面がありそうです。
「電気もガスもないとこでお暮らしのようですね」 と言いたくなるような伝統的モチーフばかりの句集は、虚構として楽しむぶんにはいいが、それ以上の感興はない。一方、今日的な素材をウリにしたかのような句集も、ウケ狙いに過ぎること多々。
私たちも私たちの暮らしも「均質」ではないのだから、それを「異質」を素直に並存させるのが、いちばん、かもですね。