2014/12/03

■「しあわせ」と「よろこび」 佐藤文香句集『君に目があり見開かれ』の一句

ヒヤシンスしあわせがどうしても要る  福田若之

歩く鳥世界にはよろこびがある  佐藤文香

「しあわせ」を希求することと「よろこび」の存在を知ること。

ヒヤシンスを見てるのもいいけど、歩けば(飛ばなくても)、そこに「よろこび」があるんだよ、と。

「よろこび」を〈外〉に見出す態度は、ヒヤシンスの句への返答、アドバイスに思えてきます。

単純で幼稚な読みですが、前者はひとつの始まり、後者はひとつの答え。

鳥の句が無季なのは、年がら年中、よろこびはあるんだよ、ということでしょう。



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