私は素直なので(バカとも言う)、句に書かれていることをそのまま像にする〔*〕。
かんぶにもこんぶにもよくいいきかす 広瀬ちえみ
だから、こんな句だと、かんぶ(幹部)はともかくとして、こんぶ(昆布)によくいいきかせている図をありありと想像して、おかしくてたまらなくなる。
この場合(私の場合)、こんぶが家の中(事務所の中)に横たわっている。海の中でいいきかせている図ではない。句の前の位置に「幹部」があるからだと思う。
もちろん、昆布には聞こえない。だから、反応もない。
なお、いわゆる言葉遊び(シニフィアンの戯れ)においても、律儀に絵・像・図を思う。
ついでにいえば、慣用句においても、絵を思い浮かべる。例えば、「脱帽です」と書いているのを読むと、書き手が帽子を脱ぐ絵を思い、どんな帽子かを想像し、可笑しくなって笑いそうになることがある。
掲句は、川柳誌『晴』創刊号(2018年1月15日)より。
〔*〕像を結ばない句もあるにはある。例えば、作者の思い+季語、警句・標語+季語みたいな句は、像を結ばない。したがって、関心も興味もあまり起きない。
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