2018/03/25

■輝くほどに 八上桐子『hibi』より

噴水に虹 赤ちゃんの名が決まる  八上桐子

輝くほどに悦ばしい一瞬。というのは、噴水に虹がかかる瞬間をいうのではなく、赤ん坊の名前が決まった瞬間をいうのではなく、この句において、ふたつの出来事が重ね合ったその瞬間のこと。

些末な技術論をいえば、句なら、川柳にせよ俳句にせよ「赤ん坊」としてしまいそうなところを「赤ちゃん」。ここは決め技。

掲句は八上桐子『hibi』(2018年1月24日/港の人)より。

この句集、掲句のような120%ポジティヴってかんじの句ばかりじゃないです。というか、それは主成分じゃない。かなりのお気に入り句集なので、また取り上げますね。ここ(このブログ)か週刊俳句か。そこは迷いどころ。


0 件のコメント: