贔屓の咄家を聴いているような安心感。
しばらくは文鎮たるも烏瓜 山田耕司
俳句を落語と並列に論じるのは、どちらを軽んずるわけでもない。ネタ(話題)の興趣、語り口のよろしさ。それらは双方に共通する美徳であり、好悪の判断基準。
人間に便所のありて鳥渡る 同
年ゆくや原子炉にドアそしてドア 同
消化と排泄。ヒトも物理もエネルギーもダイナミックかつ滑稽。以下は視線にまつわる2句。
冬の日や牛は去りつつまだ見えて 同
寒鯉をみてゐるわれのふと動く 同
掲句は『円錐』第76号(2018年2月15日)・山田耕司「蠅の秋」15句より。
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