『別腹』vol.7(2014年5月5日)特集「食」にあった佐藤りえ「食と短歌の考現学 アンソロジー・食の短歌」をひじょうにおもしろく読んだ。
30首が挙げられているが、ここでは2首だけ。
つけものたちは生の野菜が想像もつかない世界へゆくのでしょうね 穂村弘『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』
食うまでは一種の軽蔑禁じえぬおろかな蟹のなめらかな肉 高柳蕗子『回文兄弟』
俳句が「食」を詠むと(俳句と比較する必要はないのだけれど)、特定の料理や食材の従来の観念を大きく裏切っている暇がない(字数が足りない)ので、材料の属性に大きく頼る(材料がもともと持っている特徴を利用する)ことが多い。長さ・音数だけが理由ではないのだろうが、短歌のほうが、裏切りや展開が豊か。「そう来るか!」度で、現状、短歌と俳句で大きな格差がありそうです。
書影込みの参考リンク:文学とマヨネーズ。
御前田あなたブログ「いつだって最終回」
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