2014/09/21

■鉛筆の匂い:鶴岡加苗句集『青鳥』の一句




書くまへの鉛筆にほふ十三夜  鶴岡加苗

木が匂う・芯が匂うのは、削りたてだから、と解してしまうと、つまらない。「にほふ」のは、鉛筆を握るこの人にとっての未来、これから何かを書くという未来があるから。未来が鉛筆を通して香りを放つのだ。


掲句は鶴岡加苗句集『青鳥』(2014年7月)より。

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