突き抜け感があります。
雨をネガティブに捉えると、雨という災禍は私じゃない他人に降ったものということになり、雨をポジティブに捉えると、この雨は、私への恩恵ではない。
雨さん「じゃあ、どうしろと?」
雨をどう捉えようが、燦然と「私」が輝く。いい意味で尊大。その意味での「突き抜け感」。
この句、ほんと、好き。
掲句は『川柳ねじまき#4』(2018年1月15日)より。ほか、同人諸氏それぞれの20句より1句ずつ。
ここ押せばひかる東芝ひかる枇杷 なかはられいこ
承知しました地球と気球 二村典子
ペンギンが出てくる違う君じゃない 猫田千恵子
透けそうな林透けないバーコード 早川柚香
昔から浅丘ルリ子三つ上 丸山進
気遣いの境界線の液状化 三好光明
鳥が首かしげ鯨が裏返る 八上桐子
理科室の中にもあった赤鳥居 青砥和子
竹皮を付けたまんまの高笑い 安藤なみ
満月は薄荷の味と知る頁 魚澄秋来
サンクトペテルブルク的梅雨晴れ間 犬山高木
なめらかなうどんとそうではない月 妹尾凛
アルカリか酸性なのか河馬の舌 中川喜代子
水滴がふくらむ電話口の父 瀧村小奈生
こう並べていくと、分の好みや考え方がなんとなく見えてきます。叙情にせよ諧謔にせよ不思議にせよ、句のなかの「私」や事物がのびのびしている句が好き(川柳・俳句とも)。一方、理屈っぽい句はダメぽ(唐突に「ぽ」)。
楽しませていただきました。
ラヴ&ピース!
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