2014/03/30

■「正門から入ってそのまま裏門を出てゆくような俳句」(生駒大祐)という把握は今井杏太郎の句を言い得て妙

週刊俳句・第362号の「今井杏太郎論1 正門から入る 意味のゲシュタルト崩壊」の話です。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/03/1.html

一般にだいたいの句にはなんらかの文彩(あや)のようなものがあるのだけれど、そこに行かない。何もせずに「そのまま裏門を出てゆくような」句ばかりだ。

しかし、「俳句における意味という概念が次第に揺らいでゆくような感覚 」という部分は、よくわからない。揺らぐようには見えない。不安なくらい揺るがない、というのなら、わかる。

あるいは、記事中にある中島敦「文字禍」の登場人物のように、杏太郎句を長く見つめて続けていると、そういう「揺らぎ」(ゲシュタルト崩壊)が起こるのか。



攝津幸彦、加藤郁乎、阿部完市の句をまず挙げて、それらと対照させたのは、「意味」の側面を論じたから。この布置、無理筋にも見えるが、ひょっとすると、含蓄かも、ですね。意味の剝がれてゆく有り様にもいろいろある、という意味で。

杏太郎句の剝がれ方(剝がし方)は、制作者としてハードな道と思う。一歩まちがうと退屈に貼り付いたまま。「まねるな、危険」という下世話な警句も、杏太郎句には言える。あとに続く人たちが技術論として、どう消化しているのか、ちょっと興味があります。

2014/03/28

■再掲:くにたち句会〔3月〕のお知らせ

2014年3月30日(日) 14:00 JR国立駅改札を出て南口あたり集合

桜を見ながら軽く散歩ののち、句会場所はいつものキャットフィッシュ

席題10題程度。

句会後、よろしければ拙宅での飲食も(会費アリ)。

2014/03/24

■中嶋憲武「スズキさん」を残せたというだけでも週刊俳句の意義はあったなあと思う。

自分でテキトーに作った「オススメ記事」を眺めていて、そう思ったわけです。

≫中嶋憲武「スズキさん」 

遡って第1回から読むのがよいです。

俳句じゃないところ、 「その感慨は、どーなんだ?」という見方はあるにせよ。また、週刊俳句がもう終わったような口ぶりであることは承知しつつ(終わらないよ)。



2014/03/23

■3月30日(日)はくにたち句会。その前に嫁はんの演奏会(水曜日)

句会については既報(↓)を。
http://sevendays-a-week.blogspot.jp/2014/03/3.html

桜はどうなんでしょう? 気にかかるところではあります。



当日、手伝うことは別にないのですが、出かけます。知り合いを見つけたら、「自主的打ち上げ」に行くつもりでいます。


2014/03/21

■あと2~3回は笑いがとれたはずだ、若干ネタが飛んだ、と落ち込んでおります。土曜日の「関西現代俳句協会青年部の催し」で週刊俳句のことをお話ししてきた(タイトルは「週刊俳句」的~ウェブマガジンの創刊と持続)、その件。

新大阪駅で乗り換えて伊丹駅。そこから数分の柿衛(かきもり)文庫というりっぱな施設で、1時間ほどお話してきました。
http://ameblo.jp/haiku-manabu/entry-11753505525.html

A4・1枚に、「01 NO目的  02 NO費用 ≫NO財政 03 NO手間 04 NO目標 NOヴィジョン 05 NO理念 06 NO党派 07 NO求心力 08 NO寄稿拒否 09 NO編集 10 NO打ち合わせ・会議 11 NO休刊 12 NO危機 13 NO刷新 14 NOインターネット」と14のNOを並べ、それにそっておしゃべりしました。

上に挙げたことが、週刊俳句の運営には、なぜか無い。いや、「なぜか」というか、意識的に無くしたものもあるし、ナリユキの部分もある。ともかく、そんなこんなで週俳が続いているという話。詳しい話はここではしませんが、わかりにくい話、難しい話ではなかったと思う。ゆるく、のんびりした話。

みなさん、温かく聞いていただき、私はとてもリラックスして、話を終えることができました。懇親会と二次会を含め、初めての方々やひさしぶりの方々と楽しい時間が過ごせました。関西は、やっぱり、私にとってホーム・スウィート・ホームかもしれません。



で、この日、おみやげで持って帰っていただく紙も2枚用意しました。そのうちの1枚がコレ↓(クリックすると大きくなります)


週刊俳句をふだんから見ている人も、あんがいサイドバーのリンクなどはを利用されていないのではないか、と。利用ガイドみたいなものですね。

それと、もう1枚は「気ままにオススメ記事」。急遽つくったので文字どおり気ままなセレクションだし、自分の関わったものに偏っていますが、暇なときに過去ログを読む(バックナンバーをめくる)のも楽しいかもません。下に記しておきます。



参考資料:気ままにオススメ記事

〔週俳によるイベント〕
1回 週刊俳句賞 第150785

2013落選展 第34113113

新年詠 第370816
毎年恒例となった新年詠募集の最初。

〔作家フォーカス〕
岸本尚毅インタビュー 第18910125日~

鴇田智哉インタビュー ボヤンの在り処 3271384
俳人へのインタビュー記事。

〔紙媒体を読む〕
俳句年鑑を読む 87081221日ほか

〔転載〕
田沼文雄:消えた一句 京極杞陽の「八百屋お七」 第60763

相子智恵:「われら」の世代が見えない理由 マイクロポップ時代の俳句 第580861日~

〔隣接分野〕
上田信治×西原天気:「水に浮く」×「水すべて」を読む 第707610
川柳(樋口由紀子)×俳句(齋藤朝比古)競作後の対話

太田うさぎ×西原天気:奥村晃作同好会 前篇・後篇 25212219日~
歌人を語る

玉簾:あがたさんの惑星漂流  第9109118
隣接でもない音楽分野の記事。コメント欄にあがた森魚氏本人が。

〔特別号〕
203 11313 非常事態号
3.11対応。

まるごと一巻トーキョーハイクライターズクラブ(THC)プロデュース号 第29071111
最初の「まるなげ」号。

〔その他〕
関悦史:前田英樹氏講演「芸術記号としての俳句の言葉」を再読する 第2407年10月7日
関悦史さん、週刊俳句への初登場

中嶋憲武:スズキさん 第1 第31071125
小説も

かまちよしろう そんな日 第3808113
マンガも。

ウラハイの真実 第14009年12月27日

spica スピカ)インターネット×俳句について
週俳をめぐる座談会。

2014/03/12

■くにたち句会〔3月〕のお知らせ

ちょっと気が早いかもしれませんが、桜の開花時期、今年はどうなんでしょう?

2014年3月30日(日) 14:00 JR国立駅改札を出て南口あたり集合

桜を見ながら軽く散歩ののち、句会場所はいつものキャットフィッシュ(予定)

席題10題程度。

句会後、よろしければ拙宅での飲食も(会費アリ)。



2014/03/11

■湯気の影

「影」という語にはいろいろな意味があって、かたち(shape)だったり日の当たらないところ(shadow)だったり。どの「影」なのかは、文脈によっていろいろです。

  春昼や壁に広がる湯気の影  ふけとしこ

この「影」は、どちらの影だろう 、とちょっと考え、結果、shadowのほうが壁という平面には自然だし、湯気に日が当たって壁にできるかたち、と読んだほうが、おもしろいのではないか、という自分の結論に。

湯気というかたちの定まらないものにも、日が差せば影ができる。その淡い影もまた、かたちをとどめることなく、「壁に広がる」。

湯気に日の差すところを捉えた句は、はじめて読んだ。

ああ、春の気分です。


掲句は『なんぢや』第24号(2014年春)「招待席」より。

2014/03/10

■敬愚さんがフロリダからはるばる…

…コメントをくれている(気づくの遅い?)。

http://goo.gl/Ir7NXL

すごくうれしい。

……ただし「工作舎への近感」は敬愚さんの見解。私自身には「近感」はありませんですよ。

書名の詞書は、ギャグのつもりだけれど、通じにくいギャグかも、ですね。

「得意のシュール」も同様に敬愚さんの見解。シュールは不得手。

2014/03/09

■関西へ〔2〕

次の週末、3月15日(土)は「関西現代俳句協会青年部の催し」におじゃまするので、きょう日曜日の午後にその準備をしました。

週刊俳句のことについて話すので、バックナンバーを振り返ったりもしました。なつかしいと言うには、まだ時間の経過が足りない。創刊がついこのあいだのような気もしますしね。

それでも、まあ、「そうそう、こういうの、あったなあ」と、一種の感興はありましたですよ。

 

今週は第359号。創刊準備号も合わせると360号。よく続いていますよね。

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/03/359201439.html


2014/03/05

■ヒトデナシ

夫側:山口優夢 春を呼ぶ
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/03/10_9721.html

妻側:江渡華子 続はなこのはらのこ(出産編)
http://spica819.main.jp/etohanako/12892.html
(…)陣痛がひくと、なんだか紙をめくる音とボールペンをカチカチする音が聞こえる。そう、俳句を詠んでいやがったんですね。さすがにぶち切れ。なに他人事のように観察してるんだと。で、押してもらってたんですが、だんだん疲れてくるらしく、時間も時間だったので、旦那さんがうつらうつらと私によりかかる。暑いわ痛いわ重たいわで、再びぶち切れ。

抱腹絶倒の出産ドキュメント。

優夢くん、ヒトデナシぶりを遺憾なく発揮しています。

さすが! 俳人はこうでなくっちゃ!

昨今、「ヒトデナシじゃない俳人」が多すぎて、世の中、どうなっているんだ? と心配していたので、これは快哉。


なお、私自身は、もちろん全面的に華子さんサイドにつきますし、俳人であるより「人間」でありたい、というクチです。


〔参考〕週刊俳句・第358号「後記」
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/03/358.html


最後になりましたが、ご出産、おめでとうございます。

いつまでもお幸せに!

2014/03/04

■ビターもスウィートも

ラジオを聞いていると、今の若い人の音楽も少しは耳に入ってくる。





こういうのが売れるとおもしろいんだけれど、というトリプル・ファイヤー「スキルアップ」も、いかにも売れそうで実際に人気が高いらしいSEKAI NO OWARI「スノーマジックファンタジー」も、どちらも「いいなあ」と思う。

「スキルアップ」は歌詞(大注目)も歌唱もリズムも、これはもう安心して楽しめる。「スノー~」は少し前ならきっとスウィート過ぎて聞いていられなかったけれど、今は、許容できる。

「どちらもいい」という心性は、(現役で音楽を聞いている人にとっては)あり得ないことかもしれませんが、年寄りの耳には共存できるのですよ。なぜか。