2024/01/24

■とある宇宙人 『Picnic』第10号より

『Picnic』第10号(2023年11月)掲載の木村オサム「SPACE OPERA」は、宇宙関連の20句。宇宙人がたくさん登場するのですが。

自転車のサドルにされた宇宙人  木村オサム

こんな悲しい目にあった宇宙人は、いまだかつていないのではないか。世の中、何が起こるかわかったもんじゃありません。

ラヴ&ピース!

2024/01/15

■ファンタスティックな作者像


これでもなかなか追いつかないのですが(どんどん句集が出ます)、もうちょっとがんばってみます。

ところで、南十二国さんの句集『日々未来』(2023年9月)の「序」で、「鷹」の主宰・小川軽舟さんが、十二国さんのことを、映画『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督)の主人公に重なって見える、と書いている。私は、この句集を読んでそんな感じはしなかったし、もうひとつぴんと来ないのだけれど、俳人って、句だけ読んで、かなりファンタスティックな作者像を思い描く、という経験はあって、たとえば、むかし、インターネット上で、端正な句をつぎつぎと繰り出す、伝統的な作風の人の、和服の着流しを想像してしまっていた。じっさいにお会いすると、そんなことはないのですが、「俳句の国」に住まう、まだ見ぬ俳人さんは、どのひとも、現実離れした容姿を想像させたものです。私がヘンなのかな?

寿司桶に降り込む雪の速さかな 太田うさぎ

こんな句を読んだら、粋な着物姿の作者を想像するしかないじゃないですか。もっとも、じっさいには、句を読むより先に、作者のうさぎさんにリアルにお会いしているから、ファンタスティックにはならなかったですけどね。

ラヴ&ピース!

2024/01/14

■ジョニ・ミッチェル

週刊俳句・第873号(2024年1月14日)の音楽千夜一夜は、ジョニ・ミッチェルで2番目に好きな曲。
Big Yellow Taxi

では、いちばん好きな曲は?と、これに答えたいのが人情。

All I Want をニック・デカロ(プロデューサーで有名な人)のカヴァー・ヴァージョンで。


オリジナルが聴きたい人は、All I Want Joni Joni Mitchell で動画検索してください。

2024/01/10

■熊とか火事とか

宝くじ熊が二階に来る確率  岡野泰輔

のど飴を口にふくめば遠い火事  なかはられいこ

「宝くじ」の句は俳句の句集から。「のど飴」は川柳作家の作。諧謔とか叙情とか、そういう大雑把な要素でジャンルの区別を言うのではなく、何が俳句で何が川柳といったことは、少なくとも自分にとっては、もうどうでもいいや、ということであって、どちらの句も好き、という呆けた地点から、まだ一歩も出ていないし、これからさきも出ないかもしれない。

掲句は、岡野泰輔『なめらかな世界の肉』(2016年7月/ふらんす堂)、なかはられいこ『現代川柳の精鋭たち』(2000年7月/北宋社)より。

なお、熊も火事も冬の季語。俳句にも歳時記にも興味のない人は、「なんで?」と思うだろう。私もすこし思う。思うけど、そう決まっているのなら、それを利用しない手はない。

利用、というのは、いくつかの意味。

例えばひとつは、熊=冬、火事=冬との(誰かの)思いのかたわらに立って、句をつくったり読んだりすること。

あるいは、なにかの句について「無季ですね」との(したり顔の)指摘の発生を減らすこと。

熊穴に入るまへに見る景色かな 10key(大昔作・句集未収録)

黒柳徹子のやうな火事でした 10key(人名句集『チャーリーさん』2005年)



余談。

月涼し生まれ変つて会へる率  南十二国『日々未来』2023年9月

熊が二階に来る確率と、どっちが高いんだろう?


2024/01/09

■ライブのお知らせ:イチニッパーズ

2024年127日(土)17:30開場 18:00開演

場所:大森『風に吹かれて』03-3763-6555 
     東京都大田区大森北1丁目 34-16 六然堂ビル 2F 
charge 1500円(ドリンク代別)

お問い合わせは tenki.saibara@gmail.com まで。

俳句つながりの吾郎さん・栞さん、梅干製造家のマサルさんと、わが家(yuki氏と私)の5人がイチニッパーズです。

イチニッパーズなのに、なんで127? との声もあがりましょうが、気が向いたらお出かけください。




2024/01/08

【句集をつくる】第29回 連作への作業:横浜

年明けは、恒例の「俳句相撲」。結社「街」主催のこのイベントに毎年、週刊俳句チームとして参加。この何が【句集をつくる】の一貫なのかというと、連作の「種」みたいなものを、そこから拾う、ということで、例えば、

秘境から来たと言ひはる毛皮商 10key(他同)

横浜に袖すれあひてフェイクファー

前者(毛皮商)は、いつかの俳句相撲で投句した句、後者(横浜に)は、今年、投句した句の挨拶句方向のヴァージョン(改稿)。

この2句を連作の1句目と10句目に据えて、あいだの8句を、過去作から掘り起こして嵌め込んだり、書き下ろしたり。それで、ある種の気分が醸成できれば、といったところ。

冬季・無季が並ぶことになる。東京でも近所でもなく。家の中ではもちろんない。でも、散歩でなくてもかまわない。過去から拾うといっても、なかなか都合よくは行かないだろうし、まあ、書き下ろすことになるんでしょうね。それはそれで愉しいかも。


ちなみに、今年の俳句相撲について書いておくと、100名近い参加で10チーム。盛況です。週刊俳句チームは、3チーム同点の優勝。いちおうめでたいですよね。

横浜駅近くは、夜になってたいへん混み合っておりました。このところ、コロナ禍の反動で、人がよく街に繰り出すように思います。感染がなくなったわけでも劇的に減ったわけでもないでしょうに。

ラヴ&ピース!(ひさしぶり)