2015/08/31

■菅井きん不在のままに菅井きんの歌

正解は「C.小山ルミ」難問と見えて正解ほとんど無し 10key


みなさん、月曜日ですね。


2015/08/29

■外階段23 橋ラヴァー暮らしは続く




東京都世田谷区喜多見。東名高速道路が多摩川を渡る。その橋と連絡する外階段。河川敷(右手)には広大な警視庁白バイ訓練所も。


2015/08/28

■8月のくにたち句会はナシ

お知らせが遅くなり、ギリギリになりましたが、毎月最終日曜に開いてきましたくにたち句会は、先月に引き続き今月もナシです。



■前島密ふたり〔17〕 顔


2015/08/27

■組み句:風鈴の終わり

よく鳴りながら風鈴のはづさるる  根橋宏次

風鈴を鳴らさぬやうに仕舞ひけり  齋藤朝比古

鳴っている句と鳴らない句。どちらを選ぶかということでは、もちろんありません(よく鳴るから鳴らさないように、ということでもあるでしょう)。

どちらの句にも、外す・仕舞う所作と風鈴の表情が見えます。


根橋宏次句集『一寸』2015年 齋藤朝比古句集『塁日』2013年


2015/08/25

2015/08/24

2015/08/20

■冒頭集:手塚治虫



手塚治虫「アトム大使」(1951年-1952年 「少年」光文社)

2015/08/19

■前島密ふたり〔15〕 in 神戸 +冒頭集


わたしは畳の上に寝そべって、有合わせの紙片に鷗の素描を、いくつも並べて描いていました。(稲垣足穂「鷗」)

■俳句世間では俳句甲子園の季節到来

≫俳句甲子園の歌 (含:「俳都松山」へのエール)
http://hw02.blogspot.jp/2014/08/blog-post_23.html

一度作っておくと、八月が来るたびに使い回しできます。



2015/08/17

■あらためて菅井きんの不在を歌う菅井きんの歌

菅井きん不在の朝の新聞をぎつしり埋めてテレビ番組  10key

ならばたこ八郎といふ八月のイコンを永遠の旅に携ふ

アート紙にかすかな湿りありにけりそこに棲むてふ浅丘ルリ子


月曜日ですね。みなさん、体調はいかがですか。

2015/08/16

■特別な満月 小林すみれ句集『星のなまへ』の一句

満月の窓を大きくあけてある  小林すみれ

大らかで気持ちのいい句。

平易な作りのせいもあって、どこにでもある景、誰もが見たことがある景のように思えてしまいそうですが、考えてみれば、窓に満月が見えることは、ある種、特別なことです。月の運行からすれば、ある特定の季節、特定の時間。どんなに大きな窓であろうとも、どんなに大きく全開にしようとも、その〈時間〉は限られる(数分ではないにしても数時間でもない)。

句には、窓に満月が見えない(たくさんの)時間のことは何も書かれていませんが、やはり、この景は〈特別〉、この時間は〈特別〉。

「の」は、まさに満月がそこにあることを示し(例えば「に」だと、待っているとも解釈できる)、「を」は〈特別〉〈格別〉へと積極的にアプローチする姿勢(例えば「の」「が」で窓を主体にするのではなく、窓を開ける人の行為に焦点が当たっている)。細かいことを言うようですが、こうした一字一字の働きによって、句の気分が醸されていくのだから、細部はだいじですね。


掲句は小林すみれ句集『星のなまへ』(2015年7月/ふらんす堂)より。

■外階段というよりもいわゆる工場萌えの脈絡:外階段21







2015/08/15

■外階段20 


撮影場所:東京都青梅市

2015/08/14

■旧聞に属しますが〈注目の若手俳人2015〉

もうずいぶん前のこと(いわゆる旧聞に属すというやつです)、『俳句』2015年1月号に「注目の若手俳人21人 under 40」というページがありました。そこから気ままに。

見えてゐて京都が遠し絵双六  西村麒麟

自転車が蟬の羽音を立てて去る  佐藤文香

北風や濡れて渚の砂緊まる  村上鞆彦

冬帽子とるや短く釘の影  生駒大祐

寒林のまへのおほきな木なりけり  堀下翔

冬ぬくし注ぐと動く紙コップ  小野あらた

こうした感じのいい句に混じって、

捌かれし蟹の記憶は蟹味噌に  谷雄介

といったバカな句(徹頭徹尾いい意味です)が心に滲みます。


なお、今この8月に読むと、

戦争はブーツの脱げている写真  福田若之

実感があります。シンプルな作りのせいもあるでしょう。素直に気持ちに入ってきます。







2015/08/10

■菅井きんのいない菅井きんの歌は続く

タラップに田中絹代が降り立つたその日はどんな空だつたのか 10key

岩崎は「いわざき」と読む阪神の二十四歳左ピッチャー

雷鳴の中でトマトを喰つている佐藤江梨子はそんなイメージ



みなさん、月曜日ですよ。


参考画像

2015/08/09

2015/08/08

■某日散歩

自転車散歩の途中、谷保天満宮でかき氷。抹茶+あずき+練乳。


■『川柳木馬』より3句

『川柳木馬』第145号(2015年7月)より。

動くなと言われてからの立ち泳ぎ  川添郁子

なさけなく可笑しい。

金魚にも問うておきたい黄金比  萩原良子

強引。

ヨーグルト飲み老人が消えている  古谷恭一

こわい。

2015/08/06

■花紀京、大好きだった

花紀京(1937年1月2日 - 2015年8月5日)。

ご冥福をお祈りいたします。


ディープサウスな原哲男。ウェストコーストな桑原和男。モータウンな岡八郎。

花紀京はニューヨークだった。


 

■外階段19 カラーリング



撮影場所:東京都調布市

2015/08/05

■6年前

 


みなさんが赤ん坊の写真を撮る気持ちがわかる気がします。

2015/08/04

【句集をつくる】第2回 散歩のように

俳句って、ひとりで作りますよね。

いきなりでなんなのですが、いや、つまり、2人ないし数名の合作・共作というのはついぞ聞いたことがないという話。

そういうの、あってもいい、と思うんです。藤子不二雄スタイル。楽しそうじゃないですか。

もっとも、ずっとそれで、全部それ、っていうんじゃあ、フラストレーションが溜まったりするでしょうから、特定の企画とかね。

しかしながら、いま、私にはそういう相方がいないし、次の句集が一冊まるごと合作スタイルになることもないでしょうから(部分的にはアリですね)、これは余談、純然たる余談。



さて、ひとりで作る、ということ。句にしても、句集にしても。この「ひとり」というのも、また楽しい。そして、誰のためでもない、誰に要請されたものもないので、気ままにやれます。

ニーズがあったり、共同だったりすると(それが通常のいわゆる仕事というものです)、最低限の手順を踏まないといけなかったりする(まずコンセプト、次に作業設計とかネ)。じゃないと、他人に迷惑がかかりますから。

でも、そんな心配は要らない。手順が逆になってもいいし、今回のような余談も、大いにアリ。

散歩するみたいに、次の句集を作っていきます。寄り道したり、ゆっくりぶらぶらしたりしながら。


【今回のポイント】

1 藤子不二雄スタイル、誰かやってみませんか?

2 気ままにゆっくりぶらぶら進めていきますね。



2015/08/03

■雨は「降る」こともあるし花は「咲く」こともある

俳句では「季語に織り込み済みのことは季語以外のところで書かない」「雨は降るものだし花は咲くものだからわざわざ降るとか咲くとか言わない」みたいなのがあって(…以下略)
石原ユキオさんのツイート
たしかにあります。よく耳にします。

これって、どうなんでしょう? 前半部分と後半部分は違う問題なので、分けて考えることにします。


前半部分。季語のこと。

ほぼ同意。季語に含まれることを、季語以外のところで繰り返すと、たいていは退屈な句になります(言われるところの「季語の説明」)。


後半部分。表現のこと。

これについては、ちょっと違う考えを持っています。

雨に「降る」、花に「咲く」は、ムダ・重複。それはわかりますが、これって、いかにも意味偏重の方法論です。

俳句は「意味」を効率的に伝えることだけが目的ではありません。「調べ」のためには、雨が降ったり、花が咲いたり(開いたり)もします。

加えるに、風が「吹く」とかね。「風って吹くものだろう、吹くは不要」というのは、意味から考えた整理のしかたです。でも、俳句は意味だけで出来ているものでもない。意味だけなら、俳句のかたちをとることもない。

俳句には、調べが必須。「降る」や「咲く」が調べをかたちづくることもあります。そんなふうに俳句をつくったり読んだりしてるですよ、私は。


(調べは、韻律だけを指すのではありません。そのへんはややこしくなるので、今回は割愛)

■依然として菅井きんのいない菅井きんの歌

浅漬のなすびのやうな人だつた「若者たち」の佐藤オリエは  10key

八月に五月みどりをふと思ふ奇妙きはまる心の作用

つくづくに小松みどりは不思議な名 五月みどりの妹なれば

とりあへず西瓜喰つてりやなんとかなる西瓜主義者の田中小実昌


みなさん、またもや月曜日ですね。

菅井きん@夏季休暇

2015/08/02

■追い詰められて

蛇の衣青鉛筆で持ち上げて  今井聖

ただ居るだけの残業バナナ喰ふ  同

長谷川一夫追ひ詰められて菖蒲田へ  同

『街』第114号(2015年8月1日)より。


ところで、追い詰められてすることは、人によってざまざま。

少年兵追ひつめらえてパンツ脱ぐ 山田耕司》。

(ちなみに本日8月2日は「パンツの日」だそうです)

で、この句と並べて、久留島元さんが紹介しているのが《追い詰められてブラジャーの真似をする 丸山進》(久留島元「よく似た他人:『川柳カード』第9号)。

しかし、まあ、長谷川一夫がパンツやブラジャーでは、やはりイケナイ。菖蒲田。あでやかです。



一句目。青鉛筆が不思議ですね。赤鉛筆とセットになっている青鉛筆が目に浮かぶ。

 ×××××赤鉛筆の尻は青 (逆も可)

上五に季語をどうぞ。




■橋ラヴァー継続中

相変わらず川を走っております。1998年製の自転車で。

多摩川原橋

是政橋


2015/08/01

■健康に関する5首、気ままに拾い読み

学生のわれ血圧が一六〇と知りたる折りは走って下げた 奥村晃作

吾(あ)が妻のダイエット食に付き合って夕めしは特殊ビスケット食う

われのみは体のどこも痛くなく健康である今の時点で

あと十年経てば八十、経験上あっという間に十年は過ぐ

うかつにもオレ知らなんだコンビニでムスビ一つにカロリー記す


走ったら血圧が上がると思っていましたよ。


奥村晃作歌集『多く連作の歌』(2008年/ながらみ書房)より。