句の構造というか構文(?)の話。
俳句って、何かを伝えるのに字数が足りないケースが少なからずありまして、また、そこで何が言われているのか(広義のシニフィエ)を確定できないことも多い。で、その曖昧・不確定(悪い意味で使ってはいません)が、構造・構文に由来するものだったりする。
自転車のかごがからっぽの花野 前田凪子
この句、
《自転車のかご》が《からっぽの花野》
なのか、
《自転車のかごがからっぽ》の《花野》
なのか。
後者と読む人が多いかもしれません。前者のように《かご》=《花野》と把握するのはちょっと無理がある。後者なら、《花野》の直前にある「の」に意味を補えば、現実的な景色になりますしね。《自転車のかごがからっぽ》の状態で《花野》にいる/やってきた。
でも前者の非現実的な景色も、興趣という点では捨てがたいでしょ? むしろこっちのほうが面白い。
これ、難しい問題ではあるんですが、どっちと確定させない手もある。俳句ではよくあるんですが、響き/メロディーがひとつではなく、複数。
どちらも響いてきて(あるいは2枚の絵がオーヴァーラップして)、滋味が増す。
どちらかひとつ、と決める必要ってなかったりするわけです。俳句でも、なんでも。
ラヴ&ピース!
掲句は『鏡』第34号(2020年1月1日)より。
2020/01/31
2020/01/30
2020/01/29
■誤認の鳥 石部明の一句
老眼のせいばかりでないでしょう。例えば「鳥」と「烏」は、よく見間違う。目を凝らさないといけない。カラスはお願いだから烏ではなく鴉と表記してほしいと、わがままなことを思ったりする。
烏龍に鳥なく母は午睡せり 石部明
一読、《鳥籠に鳥なく(とりかごにとりなく)》と読み、透明な叙情をたたえた句、川柳作家の句を俳句として読むのはよくないが、昼寝=夏の季語と受け取って美しい句とも思った。
が、もう一度見ると、鳥籠ではなく「烏龍(ウーロン)」だった。
字で遊んだ句だろうが、きっと、鳥籠へと誤認されることも、作者の計算に入っていると思う。
母の午睡と鳥の不在。
いずれにしても美しい句。
ちなみに、午睡は「ひるね」と宛字っぽく読むより、「ごすい」とそのままに読みたい。
掲句は『石部明の川柳と挑発』(堺利彦監修/2019年12月25日/新葉館出版)より。
烏龍に鳥なく母は午睡せり 石部明
一読、《鳥籠に鳥なく(とりかごにとりなく)》と読み、透明な叙情をたたえた句、川柳作家の句を俳句として読むのはよくないが、昼寝=夏の季語と受け取って美しい句とも思った。
が、もう一度見ると、鳥籠ではなく「烏龍(ウーロン)」だった。
字で遊んだ句だろうが、きっと、鳥籠へと誤認されることも、作者の計算に入っていると思う。
母の午睡と鳥の不在。
いずれにしても美しい句。
ちなみに、午睡は「ひるね」と宛字っぽく読むより、「ごすい」とそのままに読みたい。
掲句は『石部明の川柳と挑発』(堺利彦監修/2019年12月25日/新葉館出版)より。
2020/01/26
【宣伝】お誕生日ライブ、迫る
明後日・火曜日に迫ったわけです。ライブ。
≫http://sevendays-a-week.blogspot.com/2020/01/blog-post_14.html
東京は雪?
今ではレア? 石原ユキオ氏制作の憑依カンバッジ。飾りじゃなくて、ストラップのずれ止め。
≫http://sevendays-a-week.blogspot.com/2020/01/blog-post_14.html
東京は雪?
今ではレア? 石原ユキオ氏制作の憑依カンバッジ。飾りじゃなくて、ストラップのずれ止め。
2020/01/24
2020/01/22
2020/01/17
■開いた。やっぱり開いた。開くと思ってた。
手が見える半分見える襖開く 鈴木春菜
「手が」というのだから、しかも「半分」なのだから、手しか見えない。その手が為す、為したその結果が「襖開く」。ここに不思議はない。あたりまえの帰結・展開で、句としては「脱力系」ともいえるのだろう。
叙情はない。おそらく詩もない。とうぜんの成り行きを呆けたように目撃する作者。というか眼(まなこ)があるだけで、そこがきわめてドライでハードボイルド。結果、読者としては、安心してニンマリできる。なぜに安心なのかといえば、余計なもの、ううんと例えば叙情とか詩とか? がないから。
ラヴ&ピース!
掲句は『301 vol.2 ダダダダダウッピー』(2019年12月23日)より。
「手が」というのだから、しかも「半分」なのだから、手しか見えない。その手が為す、為したその結果が「襖開く」。ここに不思議はない。あたりまえの帰結・展開で、句としては「脱力系」ともいえるのだろう。
叙情はない。おそらく詩もない。とうぜんの成り行きを呆けたように目撃する作者。というか眼(まなこ)があるだけで、そこがきわめてドライでハードボイルド。結果、読者としては、安心してニンマリできる。なぜに安心なのかといえば、余計なもの、ううんと例えば叙情とか詩とか? がないから。
ラヴ&ピース!
掲句は『301 vol.2 ダダダダダウッピー』(2019年12月23日)より。
2020/01/14
■ライブのお知らせ イチニッパーズ デビュー!
1月28日は井口吾郎さん(回文俳句で知られるあの吾郎さんね)の誕生日かつyuki氏(嫁はん)の誕生日。奇遇!
今年この日は火曜日なんですが、吾郎さん主催の「128お誕生日ライブ」に、私ども夫婦(めおと)で客演します。
■場所:大森・風に吹かれて JR大森駅・東口5分
https://oomorikazefuka.weebly.com/access.html
■日時:2020年1月28日(火)18:30開場 19:30開演
■2,100円(ワンドリンク付き)
私たちが出るのは、吾郎さん中心のいろいろな演目のあとの後半。
イチニッパーズ
吾郎さん(ベースとボーカル)、シオリさん(二胡とボーカル)、嫁はん(ピアノ)、私(ギター)。このあいだうちの居間で音出しして、楽しかったです。バンド名もそのとき数秒で決めました。
曲目は、
●嫁はんと私の二人インスト
●吾郎さんが歌うオリジナル曲
●シオリさんが歌う「It's Not The Spotlight」…おなじみの名曲。
●リベルタンゴ:二胡入り、これは注目。
≫2019年6月、別バンドでのライブ 11分26秒から
●賽馬:二胡のスタンダード。2拍子で馬が走ってるみたいな曲。
リハ2回で本番突入、ということで、少々不安はありますが、それも一興。
平日ですが、気が向いたらぜひどうぞ。
──────────────────────
大森 風に吹かれて https://oomorikazefuka.weebly.com/
大田区大森北1丁目34-16 第二みずほビル2F
TEL&FAX :03-3763-6555 Email :blowind0804@gmail.com
今年この日は火曜日なんですが、吾郎さん主催の「128お誕生日ライブ」に、私ども夫婦(めおと)で客演します。
■場所:大森・風に吹かれて JR大森駅・東口5分
https://oomorikazefuka.weebly.com/access.html
■日時:2020年1月28日(火)18:30開場 19:30開演
■2,100円(ワンドリンク付き)
私たちが出るのは、吾郎さん中心のいろいろな演目のあとの後半。
イチニッパーズ
吾郎さん(ベースとボーカル)、シオリさん(二胡とボーカル)、嫁はん(ピアノ)、私(ギター)。このあいだうちの居間で音出しして、楽しかったです。バンド名もそのとき数秒で決めました。
曲目は、
●嫁はんと私の二人インスト
●吾郎さんが歌うオリジナル曲
●シオリさんが歌う「It's Not The Spotlight」…おなじみの名曲。
●リベルタンゴ:二胡入り、これは注目。
≫2019年6月、別バンドでのライブ 11分26秒から
●賽馬:二胡のスタンダード。2拍子で馬が走ってるみたいな曲。
リハ2回で本番突入、ということで、少々不安はありますが、それも一興。
平日ですが、気が向いたらぜひどうぞ。
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大森 風に吹かれて https://oomorikazefuka.weebly.com/
大田区大森北1丁目34-16 第二みずほビル2F
TEL&FAX :03-3763-6555 Email :blowind0804@gmail.com
2020/01/13
【お知らせ】1月のくにたち句会
●2020年1月26日(日)14:00 JR国立駅改札付近集合
●句会場所:ロージナ茶房(予定)
●席題8題程度
●事前兼題2題(当日お持ちください) 紙 のりもの〔テーマ〕
初参加の方は、メールtenki.saibara@gmail.com、電話etcでご一報いただけると幸いです。問い合わせ等も、このメールまで。
●句会場所:ロージナ茶房(予定)
●席題8題程度
●事前兼題2題(当日お持ちください) 紙 のりもの〔テーマ〕
初参加の方は、メールtenki.saibara@gmail.com、電話etcでご一報いただけると幸いです。問い合わせ等も、このメールまで。
2020/01/09
■月光の解剖図 『鏡』第34号より
月光に開け放ちたり解剖図 八田夕刈
開け放たれているのは紙/書物のページ(解剖図)。と同時に、切り開かれた人体(あるいは何かの生物でもいいが、ここはやはりヒトと読むのが自然)。二重の意味・イメージは意図されたものだろう。
解剖図の赤黒い色調は、日光・太陽に晒されるのでは、雰囲気が出ない。月光って、きほん、あやしいですからね。
ラヴ&ピース!
掲句は『鏡』第34号(2020年1月1日)より。
開け放たれているのは紙/書物のページ(解剖図)。と同時に、切り開かれた人体(あるいは何かの生物でもいいが、ここはやはりヒトと読むのが自然)。二重の意味・イメージは意図されたものだろう。
解剖図の赤黒い色調は、日光・太陽に晒されるのでは、雰囲気が出ない。月光って、きほん、あやしいですからね。
ラヴ&ピース!
掲句は『鏡』第34号(2020年1月1日)より。
2020/01/05
■年が明けて:消息的なもの
毎年恒例の『週刊俳句』新年詠は不参加に終わりましたが(だって句ができなかったんだもん)、#令和版百人一首リレーというツイッター上のイベント(?)にお誘いいただき、一首あげましたですよ。
≫https://twitter.com/10_key/status/1213240829256425472
私が短歌を? 私でいいの? という部分はあるのですが、いやもう、おおいにあるのですが、せっかくの機会ですしね。
≫https://twitter.com/10_key/status/1213240829256425472
私が短歌を? 私でいいの? という部分はあるのですが、いやもう、おおいにあるのですが、せっかくの機会ですしね。
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