2017/06/30

■あの時期のソメイヨシノ 『なんぢや』第37号より

ゆつくりと吹かれて染井吉野は葉  太田うさぎ

2系統の季語「花は葉に」と夏(初夏)の風に関する「青葉風」「風薫る」を同居させたような句。

ともかく、気持ちがいい。あの時期の爽やかさ、上質の空気が充満している。


掲句は『なんぢや』第37号(2017年6月10日)より。



で、ちょっと話がそれるのですが、韻律の話。

この句は、17音。

これ、16音、つまり、

 ゆつくりと吹かれ染井吉野は葉

としても、違和感のない韻律(に私には思える)。

句跨りで、ときどき生じるのですが、中を6音にするかどうか、という問題。

定型=17音と杓子定規に考えるなら、掲句、「て」が要る。

けれども、「て」がなくても、「吹かれ」の後ろあたりに休符が生まれ、声に出しても、問題がないのですよね。

と、これは掲句の評価とか推敲ということではなく、句跨りって、検討箇所が多くて、おもしろいのですよ、という話。


2017/06/29

■某日、免許更新したり血を抜いたり

某日。運転免許の更新。

府中運転免許試験場までの約6キロを自転車で。

今回は30分講習で済む。ちょうど昼どき。せっかくなので、施設内の食堂へ。

(市役所とかそういうとこの食堂には妙にそそられます。外食の要素って味だけじゃないですよね、ワンダーというかなんというか)

カレーライスの温泉卵のせ。


いまどき見ないような真っ赤な福神漬けが嬉しい。懐かしい味(家庭の味ではない。かつて街の食堂とか学食で食べたような)。

昼餉を終えて、献血へ。試験場玄関にいつもいるのですよ、献血車が。

ところが、午前の献血はすでに終わり、午後の部まで小一時間。では、ちょっと自転車してから戻ってこようということで、東八道路を東進。野川に出て、川沿いに下る。水が少ないですね。涸れてるとまでは言えないけれど。

途中ちょっと川沿いから逸れて野川大沢調節池へ。かなりでかい凹地。このすぐ西には調布飛行場。セスナ見物している暇はないので、ここから試験場へと戻る。


献血車で問診その他。血圧を測ると、いつもより高く、115-70ほど(いつもは高いほうが90を切る)。走ってきたせいか、それとも、ちょっと上がったか。脈拍は高かった(走ってきたせいか、献血ハイ=献血時興奮か)。

めでたく400cc抜いてもらい、ちょっとゆっくりめに自転車を駆って帰宅。

なんだか盛りだくさんな半日。

2017/06/26

■シリーズ第4作は深夜TV:SRサイタマノラッパー~マイクの細道

入江悠脚本・監督の映画シリーズ3本、SRサイタマノラッパー(入江悠監督/2009年)「サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」(2010年)、「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」(2012年)。

≫参照過去記事:観くらべ 第24番 「世界」の作用

その続篇を、テレビ東京の深夜枠で。それがこの『SRサイタマノラッパー〜マイクの細道〜』。

映画3本は、どれも好き。だから、続篇にも期待した。

結果、はじめと終わりが良かったので、オッケー。途中は「細道」の表題のとおり、みちのく道中記。エピソードを並べて、おおむねたらっと進行。映画だとダレること必至だけれど、週一のテレビドラマなら、アリ。

ラス前と最終回に、いよいよのステージ。デビューも出来ず年齢を重ねてしまったラップ・グループ(3名)が最初で最後かもしれない晴れの舞台を踏む。

このライブアクトが素晴らしい。


SRサイタマノラッパー~マイクの細道~ 第11話(最... 投稿者 sapporo096


音楽ストーリー映画は曲や音が良くないとダメ。とりわけ、クライマックスのライブ。ここで観客が絶頂に達しないと、映画全体がダメダメになってしまう。ちょっと思い出すと、『スクール・オブ・ロック』(2003年)、『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』(2009年)。いずれもラスト近くのライブが素晴らしい。

閑話休題。サイタマノラッパーは、道中、いろいろあったけど、最後、ここまでたどり着いて、「これだ!」と観客に向けて発するエネルギー量。誠によろしうございました。

ヒップポップのこと、あまり知らないので、「ホンモノはこんなもんじゃない」のかもしれない。でも、ここで歌う役者さんたちの(ミュージシャンとしての)シロウトっぽさが、この物語にはちょうどフィットする。

だって、これは「好きで続けてきたけれど才能はない」人たちの物語だから。

そこには、才能があって成功を収めた人たちにはけっして実現できないもの(シンプルに言えば、感動)があるんですよね。

■くにたち句会、無事終了

いつものロージナ茶房が満席で、駅前にある「サイゼリア」というイタリア料理店へ。

活気のあるお店でした。中学生が勉強していたりして、長居しやすい。



句会後はいつもどおりの飲食。

パエーリャの素(スペイン製)は、俳句関係・佳人よりの到来物。美味しくいただきました。




老眼に使っているほうの眼鏡の部品(鼻梁にあたるちっこい部分)の片っぽうが取れてしまった。

くっつかないかなあ、新調かなあ。

ところが、試しに、かけてみると、なんの支障もない。なーんだ、2つも要らないんじゃないか(違うか?)

2017/06/25

■今日はマイケル・ジャクソン忌

だったのですね。

Michael Joseph Jackson(1958年8月29日 - 2009年6月25日)。中3トリオ(森昌子、桜田淳子、山口百恵)と同学年。

素晴らしい音楽業績を残した人。私は「ジャクソン5」時代が好きです。



リミックスで。

■枇杷愛好会 loquat lovers club

枇杷ラヴァーなわけですが、枇杷というもの、アタリハズレが多くて、値の張る品でもいまひとつのことがよくある。

どなたさまかの庭で成ったこの枇杷(盗人したのではありません。到来物)、小ぶりで、よく売っているものの半分ほど。ところが、おごそかにセロファンをかぶった茂木枇杷@紀ノ国屋にも引けを取らない美味しさ。ぎゅっと甘いのでござんす。


2017/06/24

■kinki region : mid-1970s

1975年前後、近畿地方では、R&B、ブルースが、ものすごいことになっていたことを、最近になって急に思い出した、というか、あらためてびっくりしたわけです。

例えば、ウエストロード・ブルース・バンドのライブでのこの演奏。



キング・カーティスの「メンフィス・ソウル・シチュー」をそのままやって、タイトルを京都に換えたもの。

それから、大上留利子が歌うソウル・バラード。



歌唱の素晴らしさだけでなく、バッキングのシブいことシブいこと、同時に音楽的初期衝動も伝わる(擦り切れていないという意味)。

40年前かあ。

ちょっと戻りたい気もする。近畿地方に、じゃなくて、40年前に。そんなこと、思ったことなかったんだけどね。

2017/06/23

■書く

俳句は「打つ」のではなく「書く」、という自分の決めごと。


アタマがよれよれのときは字もよれよれに。そうじゃないときは、字もそれなりに。

心身を確かめるような作業でもあるわけです。

で、赤字を入れたりもする。


2017/06/22

■同調せずに、心地よく

いつの頃からか、歌手(シンガー)あるいはミュージシャンを「アーティスト」と呼ぶようになり、「世界観」という語を社会や文化ではなく個人(の創作)に用いるようになった。一部の傾向、とは言えない、ほぼ全般的なその風潮に、違和を感じ、自分は距離を置くよ、と考えるようになったことは、些事とはいえ、重大な事柄を含むようでもあります。

そのノリには付き合わないよ、という態度は、ふだんかたちにならなくても、ずっと自分の中に流れ続ける(大袈裟に言えば)心拍リズムのようなものです。

《調子を合わせる》ことは、心地の良い暮らし方ではない。かと言って、ことさら異議・疑義を唱えるのも何なので、黙って、同調しないでおく、という(これ、言っちゃったら黙ってることにならないけれど)、ごくごく穏便な無視・無関心という態度が、もっぱら。


ま、それはそれとして、とりあえず、踊りますか。

2017/06/20

■アイドルタイムな某火曜日

オルガンが涼しい。




あ、そうそう。中島憲武画伯との「音楽千夜一夜」;週刊俳句

話題にしやすい、いわばネタ的なトラックを取り上げています。メール数回のやりとりでで完成するこの記事、じつはストックがすでに数本あるという、その場しのぎ(いい意味です)がもっぱらの週俳にしてはめずらしい事態。

なお完結まで20年近くかかる計算。ふたりとも長生きしないといけません。

2017/06/13

■夏ですね


2017/06/12

■自動車教習所俯瞰 『鏡』第24号から

上から見る自動車学校夕桜  佐藤文香

自動車教習所の実習道路は、上から見るとおもしろいんですよね。クランクや小さな坂道が敷地にコンパクトに収まっている。踏切もあったりしてね。似せてつくってあるけれども、ほんとうの道とはずいぶん違う。ちょっと大きめの箱庭のようですよ。

野川沿いの遊歩道を下っていくと、小金井街道とぶつかってすぐのあたりから、小金井自動車教習所がよく見えます。たしかあのあたりの川岸には桜も植わっていたと思う。

『鏡』第24号(2017年6月1日)

2017/06/10

【お知らせ】6月のくにたち句会

2017年6月25日(日)14:00 JR国立駅改札付近集合

句会場所:ロージナ茶房(予定)。

席題10題程度

初参加の方は、メールtenki.saibara@gmail.com)、電話etcでご一報いただけると幸いです。

問い合わせ等も、上記メールまで。

■空の二句 『豆の木』第21号より

手足冷えカラスきれいな空食べる  夏谷胡桃

犬と乗る九月十日の飛行船  上野葉月

空は、空というだけで十全。足すものも引くものもない。それが伝わる句もまた同様に過不足がない。


2017/06/09

■クストリッツァ、ワイルド・バンチ、ロング・グッドバイ、ユリイカ…

が大好き(あ、私が、という話です)。

2017/06/06

■プール 北大路翼『時の瘡蓋』から

夏ですね。

プールにもお風呂のやうにゆつくりと  北大路翼

泳ぎもしない。はしゃぎもしない。ゆっくり浸かる。

年をとると、プールでのこういう過ごし方が、とても気持ちよさそうに思える。

「そんなんじゃあプールに行くことないでしょ?」というのは野暮。

2017/06/04

■金魚

夏ですね。


なお、金魚味はしませんでした。

2017/06/02

■ねむりたい・やすみたい 『豆の木』第21号より

忙しく過ごすのも愉しいのですが、ねむかったり休んだりサボったりも愉しい。

春眠や鳥のかじった押しボタン  三宅桃子

チューリップみたいな顔でさぼりたい  同

ねむりの中に(なぜか)押しボタンがあって、鳥のかじり跡がある(「ついばむ」じゃなくて「かじる」というのが面白い)。ああ、ねむ!

サボりたい人はすでにチューリップみたいな顔になっているとも思う。


掲句は『豆の木』第21号(2017年5月5日)より。