2024/04/23

■虎から図書館へ

虎がバター、バターが図書館になるまで  湊圭伍

「ちびくろサンボ」のエピソードが、図書館に発展するわけですが、この世界的大ヒット絵本、人種差別問題から絶版、書店から回収という経緯のなか、いちはやく(日本の)図書館から姿を消したのではなかろうか、と。

出版物がこの手の憂き目にあう(と言っていいのかどうか)のは、まずは学校の図書室、次いで公共の図書館、という気がする。データや根拠はありません。なので、この句の《図書館》は、ごくすんなりと、句の中に収まる。

その「すんなり」感と、バターと図書館の「物質的」な距離の遠さ(どうやったって、バターが図書館になることはない)、〈とんでもなくもない〉と〈とんでもない〉の同時発生といってもいいし、〈わかる〉と〈わからない〉の共存といってもいいのですが、それが一句の中に並び立っているところが妙味。

掲句は『川柳木馬』第179号(2024年4月)より。

2024/04/07

■128s(イチニッパーズ)ライブのお知らせ

128's は、回文俳句の吾郎さん(bass)、栞さん(vocal)、マサルさん(perc.)、yuki氏(keyboard)、私め(guitar)。懐かしめのロック、洋楽の日本語歌詞ヴァージョンなどを演ります。ラフでカジュアル、いい意味でいいかげんなバンドです。

2024年5月19日(日)13:30開場 14:00開演

くにたち・地球屋 http://chikyuya.online/

地球屋さんは、JR国立駅を降りて大学通りの左側を南へ。一橋大学・東校舎の手前の地下。駅から5分。

charge 1500円(ドリンク代別)



2024/03/31

■『はがきハイク』第25号

そろそろお手元に届きます。業界最小最軽量の俳誌『はがきハイク』第25号。


『はがきハイク』はこちらから勝手に送りつける御挨拶のようなもの。送り先の漏れは多々。届かないときは、「おい、こら、来てない。送れ」とゆってください。

tenki.saibara@gmail.com

見たことがない、興味がちょっとある、という方も、ご遠慮なく、同じメールアドレスへどうぞ。お送りいたします。

【お願い】
はがき「全面」の写真、画像キャプチャー等を、ネット上に載せるのはご遠慮くださいますようお願い申し上げます。



2024/03/26

■これさえあれば…

…だいじょうぶです。ラヴ&ピース!





2024/03/14

■くにたち句会3月のご案内

2024年3月30日(土)14:00 JR国立駅改札付近
 ※いつも最終日曜日ですが、今回は土曜日です。

句会場所未定/席題テキトー
 ※大学通りの桜(見頃はいつなんでしょうね?)を眺めて歩きます。

よろしければ句会後の飲食(おそらく拙宅)もどうぞ。



2024/02/27

■「音数歳時記」活用句会 in 荻窪 のご案内

日時:2024年329日(金)19:00

場所:
屋根裏バル 鱗kokera
 https://twitter.com/kokera07839729
句会費:1,500円(カレー&烏龍茶付)

『音数で引く俳句歳時記・春』(岸本尚毅監修・西原天気編/草思社)を片手に、席題を作句する句会です(その後の選句・合評は通常の句会と同様)。はじめに簡単に本の紹介をします。

上記歳時記を持参されない方には、句会場にて、定価の約7割(学生さん5割)で頒布いたします。

申込は店主の茶鳥さんまで nomurakaori.ad@gmail.com

≫『音数で引く俳句歳時記・春』≫amazon

2024/02/26

■春はちらし寿司

句会の後のちらし寿司。


2024/02/13

■「音数歳時記」活用句会 in 京都のご案内

『音数で引く俳句歳時記・春』(岸本尚毅監修・西原天気編/草思社)を片手に、席題を作句する句会です。

2024年316日(土)13:00-17:00

会場:ウィングス京都(京都市中京区東洞院通六角下る)会議室2

席題による作句・投句。以降の選句・合評が通常の句会と同様。

上記書籍を持参されない方には、句会場にて、定価の約7割(学生さん5割)で頒布いたします。

句会費:200円
定員22名。

俳句初心者大歓迎/句会後の飲食からのご参加もオーケーです。

お申し込み・問い合わせは、仲田陽子さん(yoko831nkt@gmail.com)もしくは天気(tenki.saibara@gmail.com)まで。


2024/01/24

■とある宇宙人 『Picnic』第10号より

『Picnic』第10号(2023年11月)掲載の木村オサム「SPACE OPERA」は、宇宙関連の20句。宇宙人がたくさん登場するのですが。

自転車のサドルにされた宇宙人  木村オサム

こんな悲しい目にあった宇宙人は、いまだかつていないのではないか。世の中、何が起こるかわかったもんじゃありません。

ラヴ&ピース!

2024/01/15

■ファンタスティックな作者像


これでもなかなか追いつかないのですが(どんどん句集が出ます)、もうちょっとがんばってみます。

ところで、南十二国さんの句集『日々未来』(2023年9月)の「序」で、「鷹」の主宰・小川軽舟さんが、十二国さんのことを、映画『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督)の主人公に重なって見える、と書いている。私は、この句集を読んでそんな感じはしなかったし、もうひとつぴんと来ないのだけれど、俳人って、句だけ読んで、かなりファンタスティックな作者像を思い描く、という経験はあって、たとえば、むかし、インターネット上で、端正な句をつぎつぎと繰り出す、伝統的な作風の人の、和服の着流しを想像してしまっていた。じっさいにお会いすると、そんなことはないのですが、「俳句の国」に住まう、まだ見ぬ俳人さんは、どのひとも、現実離れした容姿を想像させたものです。私がヘンなのかな?

寿司桶に降り込む雪の速さかな 太田うさぎ

こんな句を読んだら、粋な着物姿の作者を想像するしかないじゃないですか。もっとも、じっさいには、句を読むより先に、作者のうさぎさんにリアルにお会いしているから、ファンタスティックにはならなかったですけどね。

ラヴ&ピース!

2024/01/14

■ジョニ・ミッチェル

週刊俳句・第873号(2024年1月14日)の音楽千夜一夜は、ジョニ・ミッチェルで2番目に好きな曲。
Big Yellow Taxi

では、いちばん好きな曲は?と、これに答えたいのが人情。

All I Want をニック・デカロ(プロデューサーで有名な人)のカヴァー・ヴァージョンで。


オリジナルが聴きたい人は、All I Want Joni Joni Mitchell で動画検索してください。

2024/01/10

■熊とか火事とか

宝くじ熊が二階に来る確率  岡野泰輔

のど飴を口にふくめば遠い火事  なかはられいこ

「宝くじ」の句は俳句の句集から。「のど飴」は川柳作家の作。諧謔とか叙情とか、そういう大雑把な要素でジャンルの区別を言うのではなく、何が俳句で何が川柳といったことは、少なくとも自分にとっては、もうどうでもいいや、ということであって、どちらの句も好き、という呆けた地点から、まだ一歩も出ていないし、これからさきも出ないかもしれない。

掲句は、岡野泰輔『なめらかな世界の肉』(2016年7月/ふらんす堂)、なかはられいこ『現代川柳の精鋭たち』(2000年7月/北宋社)より。

なお、熊も火事も冬の季語。俳句にも歳時記にも興味のない人は、「なんで?」と思うだろう。私もすこし思う。思うけど、そう決まっているのなら、それを利用しない手はない。

利用、というのは、いくつかの意味。

例えばひとつは、熊=冬、火事=冬との(誰かの)思いのかたわらに立って、句をつくったり読んだりすること。

あるいは、なにかの句について「無季ですね」との(したり顔の)指摘の発生を減らすこと。

熊穴に入るまへに見る景色かな 10key(大昔作・句集未収録)

黒柳徹子のやうな火事でした 10key(人名句集『チャーリーさん』2005年)



余談。

月涼し生まれ変つて会へる率  南十二国『日々未来』2023年9月

熊が二階に来る確率と、どっちが高いんだろう?


2024/01/09

■ライブのお知らせ:イチニッパーズ

2024年127日(土)17:30開場 18:00開演

場所:大森『風に吹かれて』03-3763-6555 
     東京都大田区大森北1丁目 34-16 六然堂ビル 2F 
charge 1500円(ドリンク代別)

お問い合わせは tenki.saibara@gmail.com まで。

俳句つながりの吾郎さん・栞さん、梅干製造家のマサルさんと、わが家(yuki氏と私)の5人がイチニッパーズです。

イチニッパーズなのに、なんで127? との声もあがりましょうが、気が向いたらお出かけください。




2024/01/08

【句集をつくる】第29回 連作への作業:横浜

年明けは、恒例の「俳句相撲」。結社「街」主催のこのイベントに毎年、週刊俳句チームとして参加。この何が【句集をつくる】の一貫なのかというと、連作の「種」みたいなものを、そこから拾う、ということで、例えば、

秘境から来たと言ひはる毛皮商 10key(他同)

横浜に袖すれあひてフェイクファー

前者(毛皮商)は、いつかの俳句相撲で投句した句、後者(横浜に)は、今年、投句した句の挨拶句方向のヴァージョン(改稿)。

この2句を連作の1句目と10句目に据えて、あいだの8句を、過去作から掘り起こして嵌め込んだり、書き下ろしたり。それで、ある種の気分が醸成できれば、といったところ。

冬季・無季が並ぶことになる。東京でも近所でもなく。家の中ではもちろんない。でも、散歩でなくてもかまわない。過去から拾うといっても、なかなか都合よくは行かないだろうし、まあ、書き下ろすことになるんでしょうね。それはそれで愉しいかも。


ちなみに、今年の俳句相撲について書いておくと、100名近い参加で10チーム。盛況です。週刊俳句チームは、3チーム同点の優勝。いちおうめでたいですよね。

横浜駅近くは、夜になってたいへん混み合っておりました。このところ、コロナ禍の反動で、人がよく街に繰り出すように思います。感染がなくなったわけでも劇的に減ったわけでもないでしょうに。

ラヴ&ピース!(ひさしぶり)