2017/11/29

■蒸しプリン会議へのお便り

柳本々々さんより礼状が届く。恐縮多謝。


ポイント:

1 ツイッターに上げたときは反転複写?

2 ゴチック体が似合う俳号が多い(含:わたし)。

3 ツイッターには「嚔」の字を読めない人が多そう(バカにしている)。ふりがなを入れとけばよかった。

4 柳本さんの自署「々々」の筆跡が「QQ」しか見えない。そのうち柳本QQ(やぎもと・きゅうきゅう)と名乗るのかもしれない。


残部あります↓
http://sevendays-a-week.blogspot.jp/2017/11/blog-post_26.html

2017/11/28

■ビ、ル、が、く、……『俳句界』アンケート

『俳句界』2017年12月号にアンケート結果。「平成を代表する句」として、川柳作家の句、

ビル、がく、ずれて、ゆくな、ん、てきれ、いき、れ  なかはられいこ

を挙げた人がおふたり(筑紫磐井氏、橋本直氏)。印象深い。


2017/11/26

■プリンのこと

蒸しプリン会議 2017秋冬

参加メンバー:太田うさぎ・岡野泰輔・小津夜景・笠井亞子・西原天気・鴇田智哉
装画:夜景
意匠:亞子
B7判・全8頁
頒価100円

文学フリマ(去る11月23日)で販売。残部あります。

入手方法1 メンバーから直接

入手方法2 tenki.saibara@gmail.com まで送付先をお知らせください


2017/11/25

■外階段:芝浦

文学フリマは搬入と撤収に顔を出し、そのあいだ数時間の空き時間に、原宿へ、中嶋憲武さんたちの個展を見て、原宿をゆっくり散歩しても、まだ時間が余る。そこで、浜松町から会場の流通センター方面へ歩いてみることにした。

モノレールを頭上に見上げつつ、路線に沿って、また路線から離れ、蛇行し、折れ曲がる道を、土地勘まるでなく、ぶらぶら。水があれば水を眺め、川があれば川を眺める「水ラヴァー」「川ラヴァー」としては大興奮の散歩コース。海に近い川、というか運河ですね、潮の匂いがきついのが新鮮。

で、目的地まで歩けたかというと、まったくダメ。遠い。一駅先の天王洲アイルの手前で、道の見当がつかなくなり、力も尽きました。

川沿いの倉庫ビルは「裏ラヴァー」にも垂涎

室外機が慎み深く収まる裏側

2017/11/24

■原宿のギャラリーへ中嶋画伯らの個展を見に

中嶋憲武画伯夫妻+ご友人のユニット「ANY」の個展に行ってきました。

原宿。デザイン・フェスタ・ギャラリーは「ほぅ! なるほどー!」。いかにも+驚きのギャラリー複合体。



山岸由佳さんは写真を展示。


中嶋画伯は各種絵画。テーマの「エロス」が70年代スタイルで炸裂しておりました。

2017/11/23

【再掲】11月のくにたち句会のお知らせ

2017年11月26日(日)14:00 JR国立駅改札付近集合

句会場所:ロージナ茶房(予定)。

席題10題程度

初参加の方は、メールtenki.saibara@gmail.com)、電話etcでご一報いただけると幸いです。問い合わせ等も、このメールまで。

2017/11/21

■うごく福田・しゃべる若之

『オルガン』第11号(2017年11月8日)より。

苔的に九月の雨に自生する  福田若之

第一句集『自生地』刊行でますます注目の高まる福田若之さんのイベントが相次ぎます。

11月25日(土)のこれとか、12月3日(日)のこれとか。

週刊俳句では刊行記念インタビュー3本。音楽、本、アートと、福田若之がぞんぶんに語っております。

1 歯ギターは序の口なんです。そのあと火つけるところまでいく。 聞き手:西原天気
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2017/09/1_10.html

2 しびれることです。感電すること。それと、本っていうのは物体です。 聞き手:小津夜景
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2017/09/2_17.html

  ≫12月8日(金) 五味太郎と、俳句をこわす。

3 怪獣・色彩・低解像度 聞き手:小津夜景
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2017/09/3_23.html


2017/11/19

■文フリとか蒸しプリン会議とか

週俳、文学フリマへ。春に続いて出展。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2017/11/in.html

『塵風』バックナンバーとか貴重だと思いますよ(僅少出品予定)。高野文子インタビューとか、つげ義春の写真での参加とか、俳誌の範疇を超えちゃってます。

あと、『MANO』終刊号とか、福田若之『自生地』に付いてくるオマケの第二句集もね。

で、このまえの文フリ向けに「蒸しプリン会議」という小冊子が出たのですが、今回「秋冬」を鋭意制作中。今朝、自分ぶんの5句をようやくまとめた。

判型は前と同じB7判(てのひらサイズ)。仕様と紙質が異なります。

※下写真は5月に出た「蒸しプリン会議 2017春夏」


2017/11/17

■蘭鋳 『奎』第2号より

よちよちとらんちうの来て縁に沿ふ  クズウジュンイチ

そういえば、ランチュウは泳ぐというより水の中を這う感じがする。「縁」は金魚鉢の内側だろうか、あるいは水槽の底の置き物だろうか。ともかく、それに身を沿わせる。

状態・行動そのものを詠んで、キュート。さすが、金魚。何をさせてもキュート。

掲句は『奎』第2号(2017年6月)より。


2017/11/16

■『オルガン』は純文学



『オルガン』の句を取り上げると、オルガンの動画を載せられるので、うれしい(ヘンなうれしがりかた)。

楽器としてのオルガンにはいろいろあるのですが(演ってる音楽もいろいろ)、貼っているのはもっぱら、ソウル/ジャズ系。だからといって、俳誌『オルガン』がソウルフルあるいはジャジーかというと、そうでもない。

同人誌というもの、メンバーによって作風が異なる(結社誌のほうが均一でしょうね、道理的には)。だから、ジッパヒトカラゲにソウルフルとかジャジーとか形容詞をあてはまめることにはムリがある。それは承知しながらも、自分なりにざっくりその俳誌を言い表す語について思案したりする。でね、昨日、思いついたのは「純文学」という語。

『オルガン』って、純文学だよな。と、ひとりごちたわけです(声にはしません、アタマの中で)。

俳句全般、純文学とエンタメ(昔なら中間小説・大衆小説と呼ばれていた分野)という二極をもって位置づけることができるかもしれない。

もちろん洩れてくる句/作家、どちらなのか迷う句/作家もあるでしょうけど。

というわけで、『オルガン』は純文学。


では、エンタメに属する句は?

例えば、このあいだ週俳にレビューを書いた大野泰雄『へにやり』なんかが、そう(私の決め方です。いまさらの為念)。

あ、そうそう、サブカル的な句群は、純文学じゃないほう、エンタメに入れていいかもしれません。例えば、だいぶ前に週俳にレビューを書いた岡野泰輔『なめらかな世界の肉』


どれが良いとか悪いとかではなく、俳句は、豊かなバラエティーをもっているということ。

「俳句とはこういうもの」「そんなのは俳句じゃない」とか偏狭なことを言わずに、ひゃあぁ、いろいろあるなあ、ニコニコ、でいいんじゃないかと思います。

ラヴ&ピース!


『オルガン』ウェブサイト

2017/11/14

■案山子と死 『オルガン』第11号より

ぶさいくな案山子に思い出せない死  田島健一

案山子はたいがい不細工。田圃であれを見ると、なんだか悲しい気持ちになる。死もまた悲しい死が多いわけですが、その悲しみとは大きく違う。「思い出せない死」となれば、その悲しみは透明感を増す。こうとは言えない、いまひとつ自分でとらえられないという意味での透明。

ここにあるふたつの事物はおおむね対照的。助詞「に」が問題となるが、場所や所以を示す格助詞よりも、並列助詞(と=and)で読みたくもなる。前者で読むと、案山子の顔と死者の(思い出せない)顔がリンクしすぎるのだ。

掲句は『オルガン』第11号(2017年11月8日)より。



2017/11/13

■勝手に組句:プロペラ

プロペラの句は意外に少ない。

ぷろぺらのぷるんぷるんと花の宵  小津夜景『フラワーズ・カンフー』 

プロペラ機までの日傘をひらきけり  山尾玉藻

胸に聴くプロペラの音夏は来ぬ  10key「東京タワー」


2017/11/12

【お知らせ】11月のくにたち句会

2017年11月26日(日)14:00 JR国立駅改札付近集合

句会場所:ロージナ茶房(予定)。

席題10題程度

初参加の方は、メールtenki.saibara@gmail.com)、電話etcでご一報いただけると幸いです。問い合わせ等も、このメールまで。


2017/11/10

■木枯の季節(というにはまだちょっと早い?)

人が来て木枯しが来てインターホン  伴場とく子

「来て」で対句となった「人」と「木枯し」は、最後の「インターホン」で、どちらも音だったことがわかる。

音も、映像も、クローズアップ。

句としての構成がきちんと設えられています。

掲句は『現代俳句』2017年11月号より。


2017/11/09

■失恋じゃなくて失婚の話のようですね スピカの今月の連載

スピカでの一か月連載、織田亮太朗「まいにちがしつれん」。連載の途中での「謝罪」が入りました。異例ですよね。

2017年11月8日
http://spica819.main.jp/tsukuru/21150.html

スピカ賞 受賞発表
http://spica819.main.jp/tsukuru/21154.html

年寄りがこういうテーマについてなんだかんだ言うのはみっともないし、どうでもいいっちゃどうでもいいのですが、どちらの記事にも「表現」についての謝罪が入っている。

《今後はそういった表現の無いように》《スピカ運営からも不適切な表現の掲載についてお詫び申し上げる》

これを見て、急遽、ちょっと書いておこうと思いました。表現が問題なのか? 違うだろう、ということで。

私が(あるいはSNS上では何人かの人が)違和感を持ったのは、おもに次の二つの記事。

http://spica819.main.jp/tsukuru/21130.html

http://spica819.main.jp/tsukuru/21132.html

違和感をざっくりかいつまめば、前者:句会は婚活の場かよ? 後者:結婚は幸せのゴールかよ? ということ。

(付け加えれば、ご自分の恋愛観・女性観・結婚観を、ややうざったいかんじに周囲に振り撒きまくっていると思しき言動)

いわば、織田氏の考え方やスタンスへの違和感です。表現じゃない。

なぜ、スピカ運営も、織田氏も、表現が不適切だったなんて言い方をするのでしょう(失言政治家がよく言う「誤解を招いてしまった」というのに似ている。いや、誤解してないですから)。

表現なんていう政治的な逃げ方をするんじゃなくて、こんなふうに抗弁あるいは補足するべきなんじゃないか?

A「句会を婚活と考えて何が悪い?」

B「結婚は幸せ(の一形態、一手段)でしょ? ちがう?」

(あえて悪ふざけ気味に付け足せば、「私たちスピカ3名は、俳句で伴侶を見つけ、幸せだ。どんなもんだい? なにか文句ある?」)

Aについては、私も、悪いと思わない。そういう魂胆があっていいでしょう。でも、織田さん、それを公言してしまうのはねえ、戦術的にどうなんでしょう?

句会を、恋愛を、結婚を、どう考えるかは人それぞれですが(私もそんなに道徳的な人間じゃないし)、連載を読んで、「この人、他人を好きになったことがあるだろうか?」とはちょっと思いました。ご自分の幸せのことはわかったけど、相手の幸せはどうなんですかね? ということ。

タイトルは「まいにちがしつれん」となっていますが、これ、失恋じゃなくて、失婚の話ですよね。

Bについては、幸せな結婚もあるし、そうじゃない結婚もある。幸せなときもあるし、そうじゃないときもある、と想像いたします。

まあ、そんなこんなで。

織田氏ができることは、一部読者の(想定される)非難・怒り・違和感を「謝罪」でなだめるのではなくて、以降の連載で自虐芸に磨きをかけること。

読者の何人かが得た教訓は、自虐ネタはむずかしいということ。

スピカ運営がすべきだったのは、著者を守ること(上記選考基準の記事である程度は守ろうとしている)。


ちなみに、どうでもいい話ですが、私は既婚者で、現在も婚姻状態にあります。結婚がいいか悪いかと訊かれたら、「いい結婚、ましな結婚になるよう、それなりにいろいろと努力みたいなものはしているつもりですが、むにゃむにゃ」と答えておきます。

2017/11/06

■合体





2017/11/05

■外階段:相模ダム


相模湖へ(ウチからクルマで近いんですよね)。いわゆる吟行なわけですが、外階段ハンターとしては当然それが目に入る。



2017/11/03

■夕餉のミサイル

夕飯の味噌汁にいくミサイル  柳本々々〔*1〕

味噌汁の具になりにゆくような滑稽味。刻む前の長葱をそのまま椀に突っ立てたような、ね。

俳句だと、この句を思い出す。

空爆や鍋焼うどんに太い葱  下村まさる

奇しくも五七五からは逸れた、いくぶん破調な二句(前者574、後者585)。この手の兵器+食べ物(料理)の句には、《人類に空爆のある雑煮かな 関悦史》もあるけれど、こちらは事象寄り。ミサイルや爆弾のブツ感は薄まる。


〔*1〕『川柳スパイラル』創刊号(2017年11月25日)より。



2017/11/02

■黄緑色

買いたかったものはなかったけれど、その文房具屋は狭く、帳場の主人との距離があまりに近かったために、何も買わずに店を出るのもはばかられ買ってしまった、黄緑色のインク入りの簡易万年筆はあんがい、持っているだけの飾りには終わらず、使ってみましたよ。


2017/11/01

■卵生の石部明

奇想、と述べるだけでは、その一句を語ったことにならない、と言われそうだけれど、奇想そのものに価値があると思っているし、それにね、「きちんと奇想」ってのは生易しくはない。奇譚も同じ。奇想・奇譚を狙ってはいても、結果、「あれれ? それってそんなに『奇』でもないですよ。わりあい順当」という場合も多い。

ボクシングジムへ卵を生みにゆく  石部明

ヒト、卵生、場所の用途。それらが大きくずれ合って、奇妙な世界。伝統的なポエジーからもはみ出す。

掲句は『THANATOS 石部明 3/4』(2017年9月/小池正博・八上桐子)より。

ほかに、

靴屋来てわが体内に棲むという  同

句末の「という」で事態が未来のこと(靴屋の意思)となり、「わが」の私が微妙に軋む。

軍艦の変なところが濡れている  同

軍艦が身体性・有機性をまとい、奇妙にエロティック。