2014/12/31

■年用意

新年を迎える準備、だんだんと整えていくわけです。

雪我狂流さんのベトナムみやげ。共産主義プロパガンダ・ポスターの暦。

2014/12/29

■いろいろな人の歌 〔菅井きん年末年始休みにつき〕

いろいろと迷つたあげく岩下志麻と若尾文子を足して二で割る

一秒のあとの一秒一秒をモロ師岡は静かなイコン

この川はどこにも流れ着けるはずきつと横山プリンにも、でしょ?

凍土から丹古母鬼馬二一体を傷をつけずに掘り出す仕事

その場合まさか桜井浩子などゐるはずもない夜明けの日比谷


みなさん、今年最後の月曜日ですよ。


〔参考画像〕
岩下志麻 ≫こちら  若尾文子 ≫こちら
モロ師岡 ≫こちら
横山プリン ≫こちら
丹古母鬼馬二 ≫こちら
桜井浩子 ≫こちら

 

2014/12/28

■今年最後の『週刊俳句』を更新しました

今年最後の週刊俳句。更新担当でした。

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/12/40120141228.html

私は、八田木枯の一句、それと表紙写真(むかしフィルムで撮った写真です)。

座談、前回に含めなかったぶん、1本。例の『俳句年鑑』「30代以下」について話しています。年末っぽい話題ということで、この号にまわしました。

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/12/2015.html

牡蠣をつまみながら(ということは、この座談が録画の一発目)、最初どうなるかと思いましたが、マイルドに収まりました。

(黒信治、黒天気を期待した人、ごめん)



週刊俳句は無事続いたということで、みなさまに感謝です。

みなさまというのは、読者諸氏、執筆してくれた人たち、そして更新当番の人たち。

来年もその次の年もずっと、粛々と続いていくといいなあ、と。

2014/12/27

■変奏  :在庫処分モード続行中

夏みかん酢つぱしいまさら純情など  鈴木しづ子

(1字加えて現代風に)

夏みかん酢つぱいしいまさら純情など



柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺  子規

鐘つけば鐘が鳴るなり法隆寺  東人

鐘つけば鐘が鳴るなり鐘だもの  みつを



鳥の巣に鳥が入つてゆくところ  波多野爽波

(誤変換)

鳥の巣に鶏が入つてゆくところ

2014/12/26

■俳句の口調・語尾はぞんがい重要ですよ

「かな」を「です・ます」に変えるだけで、ライトヴァース俳人(流行の口語俳句ですか?)か、山頭火みたいになる。

遠山に日が当たります枯野です

ね?


参考:

よい道がよい建物へ、焼場です  種田山頭火

2014/12/25

■外階段05 世界

外というか、内というか……。

半外階段?

撮影:2008年4月20日19時20分 中野

2014/12/24

■The Kinks' Father Christmas




thanks to @micropopster


■クリスマス 勝手に組句

プロポーズされそうなほど冬銀河  竹岡佐緒理〔*1〕

冬帽のまま押し倒す最上階  内藤独楽〔*2〕



河豚おごるどういふことかわかるよね  北大路翼〔*3〕

この出逢ひこそクリスマスプレゼント  稲畑汀子



〔*1〕http://www.itoen.co.jp/new-haiku/25/monbukagaku.php
〔*2〕〔*3〕http://weekly-haiku.blogspot.jp/2008/12/blog-post_21.html
 
http://www.ge.com/jp/news/reports/christmas130y_genews_dec2_11.html

2014/12/22

■字のはなやぎ

字はひとつだけでは字に過ぎないのだけれど、いくつかの字が並ぶことによって動き出すことがある。

こんなあたりまえのことをあらためて思ったのは、鴇田智哉句集『凧と円柱』のイベント記事を書いていたとき。メモなので、あとさきや構成をあまり考えずに書き連ねた。そのとき、なんだか「字」ということを思ったのでした。


いまだ目を開かざるもの文字と虹  小津夜景「みみずのてがみ」





■失はれた菅井きんの歌

piとかpoとか奇妙な音のすることを菅井きんから教えてもらふ 10key

どうしやうもなくつるつるの夜と昼菅井きん後の世界のすがた


街角でいつもなにかを見失ふ菅井はみぎへきんはひだりへ


みなさん、月曜日ですね。


2014/12/21

■俳句関連の積み残し:備忘録

今年に間に合うかもしれないし、越年になるかもしれない。


〔1〕荒川倉庫さんの「豚三十句」が素晴らしい。感動モノだ。

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/11/blog-post_25.html


〔2〕句集のカバーや帯はどうするべきか?

「句集の読み方 その1・付箋」の続篇。

「その1」きりで止まってしまっているのは気にはなっているんです。


〔3〕200ページにも行かない本に3,000円前後という、ふざけた値段。いつまでこんなこと続けるんですか、自費出版句集。

これは「句集の読み方」とは別枠でしょうね。


〔4〕自費出版句集、オカネの流れにおける、とってもモヤモヤした部分。

出版社によるようですが。


〔5〕俳句というジャンルの2014/2015年現在って、冷静に眺めると、かなりキツい状態ではないでしょうか。だって「年鑑」関連で挙げられている句を見ると、ほんとつまらないんですもの。

これは書くよりしゃべるほうに向いている話題。


ざっと挙げただけでも、これだ。まだまだありそうです。

ま、のんびり行きましょう。

■週刊俳句、第400号を迎える

ものすごくボリューミー。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/12/40020141221.html

400号記念企画として当番と元当番(生駒くん)で座談をやっています。ビデオカメラではなくデジカメで、しかも慣れない操作で、音声・画像ともちょっと残念なところもあるのですが、お許しを。


鴇田智哉『凧と円柱』イベントも3本。私も書かせてもらいました。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/12/blog-post_56.html


2014/12/20

■悪魔のように句をつくり悪魔のように飲み且つ喰う、くにたち句会〔12月〕のお知らせ

2014年12月28日(日)14:00 JR国立駅改札付近集合

句会場所:いつものキャットフィッシュ(予定)

席題10題程度

句会後の飲食もよろそければどうぞ(会費アリ)


イメージ映像

2014/12/19

■鬼が年越す

今年もあと10日ほどですね。

大津絵の鬼が年越す天袋  亀田虎童子

『雷魚』第100号/終刊号(2014年12月10日)より。

百号二十七年というのは多くの俳誌の中では短い期間だと思うが、同人の皆さんが「雷魚」同人と言う矜持をもって俳句を書いてきたのは充実した素晴らしい時間だと思います。
寺澤一雄「あとがき」

太田うさぎ「亀田虎童子『合鍵』を読む」

2014/12/16

■業界最小・最軽量俳誌「はがきハイク」

http://haiku-new-space03.blogspot.jp/2014/12/3.html

歌人の佐藤りえさんに『はがきハイク』第10号から一句とりあげていただいています。感謝。



で、いままさに、第11号準備中。聖夜&新年。俳句関係には賀状にかえて、これを送らせていただく所存。

業界最小・最軽量・最安コストの俳誌。

たった5句なのにヘンな句をたくさん入れたがる自分に手を焼いております。



「なんじゃ、それは? 見てやるから送ってこい」という方は、tenki.saibara@gmail.com まで。

逆に、これまで届いてるけど、もうええわ、という方も、上記メアドまで。

2014/12/15

■いのちの歌・菅井きんの歌

あんぱんは餡がいのちを前提にパンもたいせつ(菅井きん談)


みなさん、月曜日ですよ。


2014/12/13

■三人

緑蔭に三人の老婆わらへりき  西東三鬼

俳句における「三人」がエラく意味ありげな人数になったのは三鬼のこの句からなのだろうか。



三人の一人こけたり鎌鼬
  池内たけし

鳥のごとくいつの日か死す三人いて  宇多喜代子

寒林を三人行くは群るる如し  石田波郷

三人とも麻の服着て見つめ合ふ  飯島晴子

キャベツ買へり団地の妊婦三人来て  草間時彦

三人の音も立てずに昼寝かな  岸本尚毅

不肖の娘三人桔梗の芽に雪  塚本邦雄

で。

四人目はしやがんでゐたり冬の海  齋藤朝比古

この句にも「三人」がいます。


■ネット古本屋に「マンガ」のページ

ひさしぶりの新しいページ。しかもたった3冊。

2014/12/12

■群馬



突如、群馬が話題になり、しばし群馬がアタマにとどまる。


↓↓↓井森美幸の上毛カルタ。1時間40分強あります(井森氏の登場は18分40秒あたり)。


2014/12/11

■ベトナムから

ベトナム旅行中の知人から絵葉書。


ベトナム戦争(1960年12月 - 1975年4月30日)は、ついこのあいだです。



2014/12/10

■イメージ・シリーズ 第2弾

あくまで印象なのですが。

「豈」関連の諸サイト

=構造が見えない(←それってドゥルーズ+ガタリのリゾームじゃねえの? 違う?)。いつ始まっていつ終わったのかわからない。テンション高い。こころざしも高そうだ。…というイメージ。

週刊俳句

=構造が小学生もわかるくらいシンプル。まだ続いている。テンション、おおむね低い。

当番の上田信治はときどき重要な仕事をするし、福田若之は注目の若手だが、村田篠と西原天気は何をやっているのかわからない。という、みなさんのイメージ。

→篠さんは習字・書道をやってます。天気はよく散歩しています。



2014/12/09

■Sympathy for the Devil ~近藤十四郎さんのコンサートに行ってきました

荒野の水槽楽団のデビュー・ライブ



唯一のカヴァーというストーンズ「Sympathy for the Devil」。

冒頭の歌詞は次の通り(聞き取り)。

ただいまご紹介にあずかりました(ましてません)、
わたくし、お金持ちの、モテモテの、インチキ野郎で~す♪

秀逸。笑ってしまうくらい秀逸。

原曲は、

Please allow me to introduce myself
I'm a man of wealth and taste
I've been around for a long, long year
Stole many a man's soul to waste



「インチキ野郎」というのがアタマから離れませんですよ。





2014/12/08

■若手俳人のイメージ

あくまで私の印象なのですが。


『群青』という俳誌にいる若者の印象

=インディペンデント(結社無所属)で作家としての自立を目論むと見えて、そのじつ、権威にすぐにしっぽを振るタイプ。


『ku+』という俳誌にいる若者の印象

=選ばれた才能、エリートで趣味がいいと自認。凡百の俳人を見下す。世間で言うところの鼻持ちならないタイプ。


どっちの俳誌もあまり知らないんですけどね。

どっちにも所属している(?)福田若之くんと、こんどゆっくりなにか食べながら、この件について話そうと思います。

私が注目しているのは、どちらにも入っていない山口優夢氏。



それと、上記のように言うと揶揄的に聞こえるかもしれませんが、捉え方の問題でね。前者は現実と賢く折り合いをつけているとも言えますし、後者については、それくらいの矜持は、表現者として当然とも言えます。


あ、そうそう。ボーナストラック。

「ふらここ」の若者の印象

=おおむね関西弁。



最後に、それぞれのイメージを動物に譬えてみました。

『群青』 →犬

『ku+』 →猫

「ふらここ」 →関西人

■いたるところに菅井きんの歌

菅井きんがいたるところに突き刺さる世界が平和でありますように


みなさん、ごきげんよう。

2014/12/06

■無臍忌

今日は山本勝之(1955-2008)の忌日。ちょうど月天の忘年句会でした。

  十二月六日ふうせんだまに臍  10key

七周忌のお経を聴いているとき浮かんだ句を投句。



2014/12/05

■日向の椅子 岡田一実『境界』の一句

俳句は音数が限られているので(短いので、とは言わない)、省略や舌足らず、意味の不確定が生じる。

家具屋あり日向ぼつこの椅子のあり  岡田一実

「日向ぼつこの椅子」もまた、一種の省略、舌足らず。その椅子に坐って日向ぼっこをするそのための椅子なのか、椅子が日向ぼっこをしているのか。人によって読み方が違うかもしれません。

けれども、これは、どちらとも言えない、という効果を味わうべき句と思いました。

椅子が日向にある(日向ぼっこをしているようだ)。そこに(私が)坐れば、気持ちのいい日向ぼっこになるんだろうなあ、というような。

ふたつの読みのちょうど中間に、読者を誘う。これは、計算された舌足らずと言えそうです。


ところで、店内ではなく道にはなかばはみ出すように商品を並べた家具屋というのは少なくなりましたが、昔はたしかにありました。「町の家具屋」といった風情。懐かしさがよろしき下味にもなっています。


掲句は『境界』(2014年11月1日/マルコボ.コム)より。

2014/12/04

■冷し豚? 季語の本意・本情という問題

「冷し豚」って、美味しそう。


冷やし豚しゃぶ?

…と思ったのでしたが、違うのです。

尾をふりて首のせあへり冷し豚  三条羽村

今井聖「試行燦々16」(『街』第110号・2014年12月1日)が取り上げた『虚子編新歳時記 増補版』(三省堂)中の一句。「馬冷す」の項目に出てくる句、ということです。

「豚冷やす」という季語は見たことがありません。この句が最初です(最後かもしれません)。

今井聖さんは、この句から論を起こし、虚子が「馬冷やす」「牛冷やす」の「労役後」という部分を無視したことに注目、どんな家畜でも冷やせば夏の季語になるんですね、虚子がこうなんだから、と、伝統派を挑発します(詳しくは『街』誌をどうぞ)。

そのうえで今井さんのこの記事の結論はこうです。
俳句は「写生」だ。写すことがまず在る。写すことは実感です。見て、聴いて、触れて、味わい、匂うこと。
本意、本情などという「知識」をあらかじめ予定しない。 
(中略)
「豚冷す」は視覚的現実のナマの実感がいかに強いか、写すことがいかに驚きに満ちたものであるかを教えてくれる。(後略)

つまり〈本意、本情などという「知識」〉よりも〈写す〉ことによって体得される驚きを優先しなさい、というもので、これは、考えようによっては、とても伝統的な態度だと思います。いわゆる「伝統派」よりもむしろ伝統的。

興味深い記事でした。掲句のインパクトも含め。


月とパトカーカーテンの隙間より  今井聖

これは上の話題とは直接関係ありません。同じ『街』誌より引きました。

 ●

自作引用の野暮を。

保安官一行馬を冷やしをり   10key

『豆の木』第18号(2014年4月)より。

これなどは「本意・本情」にそったいわゆる「伝統派」スタイルですな。

■外階段04 後景

撮影場所:北千住 撮影日:2012年5月5日

外階段を撮るつもりではなかったようだ。でも、写っている。

2014/12/03

■「しあわせ」と「よろこび」 佐藤文香句集『君に目があり見開かれ』の一句

ヒヤシンスしあわせがどうしても要る  福田若之

歩く鳥世界にはよろこびがある  佐藤文香

「しあわせ」を希求することと「よろこび」の存在を知ること。

ヒヤシンスを見てるのもいいけど、歩けば(飛ばなくても)、そこに「よろこび」があるんだよ、と。

「よろこび」を〈外〉に見出す態度は、ヒヤシンスの句への返答、アドバイスに思えてきます。

単純で幼稚な読みですが、前者はひとつの始まり、後者はひとつの答え。

鳥の句が無季なのは、年がら年中、よろこびはあるんだよ、ということでしょう。



■蛸と天球 関悦史「量産型秋の暮」の一句

太古、夜空を眺めて、それを球体とみなしたこと(天球という概念)は、何らかの研究や思惟を通してのことだろうと思います。空をじーっと見ていると、とか、これはなんだろう?と考えてのうえで、とか。

天球冷え真実蛸は無脊椎  関悦史

蛸のアタマを見て、夜空を、世界を、そのように、というのは球体と、認識した、というわけではないでしょうが、天球の冷えと蛸のぐにゃぐにゃは、なんだか感動的に呼応いたします。


掲句は『GANYMEDE』第62号(2014年12月1日)所収「量産型秋の暮」より。


ちなみに蛸は好きです。

外観も。

味も。

寿司のタネで、蛸はかなり上位に入ります。小さい頃は「蛸の炊いたん」がよく食卓に出ていました。いまでも食べたいおかずの上位に入ります。



■岩手県のアンテナショップ(東銀座)が楽しい


2014/12/02

■「安倍退陣となれば、世の中に溢れかえるクソみたいな反戦ポエムがなくなるのか?」

…と訊かれたので、

「わからんけど、減るんじゃないの?」とテキトーに答えておきました。

というか、その友人は、ツイッターとかフェイスブックの見過ぎなのだと思います。


一時期はそうだったけれど、いまはそうでもないような気がする。「反戦にも、流行り廃れとか、息切れがあるんだよ」

いや、問題はむしろ、ポエムの蔓延のほうでしょ?

平和は、だいじよ。


選挙戦が始まりましたね。幸いなことに、私が住んでいるあたりはそんなに煩くない。

■外階段03 閾

外階段への関心については、容易に解説できます。

公の場所(外・町)と私の場所(内・家)のあいだにあって、私たちに向かって露出しているもの。それが外階段です。

そこを行き来する人(住人)の姿は見えなくとも、想像はできます。二つの対照的なものの「あいだ」、「閾」たる外階段には、人の姿がいつも面影として、ある。

外階段を眺めることは、ちょっと風変わりな覗き行為(ピーピング)かもしれません。


撮影場所:川越 撮影日時:2007年12月5日16時02分

2014/12/01

■心に残る菅井きんの歌

一億のテレビ画面に菅井きん同時に灯り同時に笑ふ

菅井きん並みにびつしり霜柱やがて消ゆるを定めとなせり

かなしみは星間距離に比例して増すてふ菅井きんの法則

菅井きんから人類へプレゼント中身はいまだ不明なれども

観覧車一周およそ一時間眼下に菅井きんを探さむ

菅井きんと声に出すときキンといふ音の響きに陶然となる


みなさん、12月ですよ。