ゆつくりと吹かれて染井吉野は葉 太田うさぎ
2系統の季語「花は葉に」と夏(初夏)の風に関する「青葉風」「風薫る」を同居させたような句。
ともかく、気持ちがいい。あの時期の爽やかさ、上質の空気が充満している。
掲句は『なんぢや』第37号(2017年6月10日)より。
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で、ちょっと話がそれるのですが、韻律の話。
この句は、17音。
これ、16音、つまり、
ゆつくりと吹かれ染井吉野は葉
としても、違和感のない韻律(に私には思える)。
句跨りで、ときどき生じるのですが、中を6音にするかどうか、という問題。
定型=17音と杓子定規に考えるなら、掲句、「て」が要る。
けれども、「て」がなくても、「吹かれ」の後ろあたりに休符が生まれ、声に出しても、問題がないのですよね。
と、これは掲句の評価とか推敲ということではなく、句跨りって、検討箇所が多くて、おもしろいのですよ、という話。
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