2017/06/26

■シリーズ第4作は深夜TV:SRサイタマノラッパー~マイクの細道

入江悠脚本・監督の映画シリーズ3本、SRサイタマノラッパー(入江悠監督/2009年)「サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」(2010年)、「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」(2012年)。

≫参照過去記事:観くらべ 第24番 「世界」の作用

その続篇を、テレビ東京の深夜枠で。それがこの『SRサイタマノラッパー〜マイクの細道〜』。

映画3本は、どれも好き。だから、続篇にも期待した。

結果、はじめと終わりが良かったので、オッケー。途中は「細道」の表題のとおり、みちのく道中記。エピソードを並べて、おおむねたらっと進行。映画だとダレること必至だけれど、週一のテレビドラマなら、アリ。

ラス前と最終回に、いよいよのステージ。デビューも出来ず年齢を重ねてしまったラップ・グループ(3名)が最初で最後かもしれない晴れの舞台を踏む。

このライブアクトが素晴らしい。


SRサイタマノラッパー~マイクの細道~ 第11話(最... 投稿者 sapporo096


音楽ストーリー映画は曲や音が良くないとダメ。とりわけ、クライマックスのライブ。ここで観客が絶頂に達しないと、映画全体がダメダメになってしまう。ちょっと思い出すと、『スクール・オブ・ロック』(2003年)、『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』(2009年)。いずれもラスト近くのライブが素晴らしい。

閑話休題。サイタマノラッパーは、道中、いろいろあったけど、最後、ここまでたどり着いて、「これだ!」と観客に向けて発するエネルギー量。誠によろしうございました。

ヒップポップのこと、あまり知らないので、「ホンモノはこんなもんじゃない」のかもしれない。でも、ここで歌う役者さんたちの(ミュージシャンとしての)シロウトっぽさが、この物語にはちょうどフィットする。

だって、これは「好きで続けてきたけれど才能はない」人たちの物語だから。

そこには、才能があって成功を収めた人たちにはけっして実現できないもの(シンプルに言えば、感動)があるんですよね。

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