手が見える半分見える襖開く 鈴木春菜
「手が」というのだから、しかも「半分」なのだから、手しか見えない。その手が為す、為したその結果が「襖開く」。ここに不思議はない。あたりまえの帰結・展開で、句としては「脱力系」ともいえるのだろう。
叙情はない。おそらく詩もない。とうぜんの成り行きを呆けたように目撃する作者。というか眼(まなこ)があるだけで、そこがきわめてドライでハードボイルド。結果、読者としては、安心してニンマリできる。なぜに安心なのかといえば、余計なもの、ううんと例えば叙情とか詩とか? がないから。
ラヴ&ピース!
掲句は『301 vol.2 ダダダダダウッピー』(2019年12月23日)より。
0 件のコメント:
コメントを投稿