2020/01/17

■開いた。やっぱり開いた。開くと思ってた。

手が見える半分見える襖開く  鈴木春菜

「手が」というのだから、しかも「半分」なのだから、手しか見えない。その手が為す、為したその結果が「襖開く」。ここに不思議はない。あたりまえの帰結・展開で、句としては「脱力系」ともいえるのだろう。

叙情はない。おそらく詩もない。とうぜんの成り行きを呆けたように目撃する作者。というか眼(まなこ)があるだけで、そこがきわめてドライでハードボイルド。結果、読者としては、安心してニンマリできる。なぜに安心なのかといえば、余計なもの、ううんと例えば叙情とか詩とか? がないから。

ラヴ&ピース!

掲句は『301 vol.2 ダダダダダウッピー』(2019年12月23日)より。


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