2015/09/30

■毒婦の威力 『鷹』10月号より

『鷹』2015年10月号より。

百鬼より毒婦恐ろし秋の風  小川軽舟

百人(喩えだけれど)の鬼よりも一人の毒婦が恐ろしい。毒婦のアタマの「一人」が省略されていて、そこがじわじわ効いてくる。一般論のように見えて、特定の毒婦が想定されているような、微妙なニュアンス。

秋風という季語は、それだけで「なんだか俳句」になっちゃうので、「いまさら感」に陥りやすい。ベタに付くより、ちょっとずらして軽く付いていたほうが、気持ちよく読めます。



2015/09/29

■雪我狂流句集『スウィングしなけりゃ意味がない』より気ままに3句


七夕の男便器に的のあり  雪我狂流

満月や松がくねくねしてをりぬ  同

このあいだは中秋の名月。昨晩はスーパームーン。



秋の句が黒板拭きで消えにけり  同

これが挙句。


句集『スウィングしなけりゃ意味がない』(2015年9月)は本文36頁。プリンター+ホチキス綴じの私家版。頃合いを見て上梓されるいつもの狂流句集。もう何冊目になるのかなあ(ずいぶん出てる)。今回は扉がオシャレ。

2015/09/28

■くにたち句会、無事終了

いつも句会場に使わせていただいているキャットフィッシュに、新しく「俳句カフェ」なる看板が!



場所は⇒ここ。くにたち近辺で吟行など開催の際はぜひご利用を。会場料金はナシ。美味しいコーヒーは500円ほど。俳句をしない人ももちろん使えます。

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選句と飲み食いに、拙宅へ移動。こちらは、テーブルの形が変わり、椅子の色が変わりました。



スパークリングワインやらブラウンマッシュルームとカテッジチーズのサラダやらドイツ亭で買ってきたピザやら。

みなさま、お疲れ様でございました。

■九月最後の菅井きんの歌

菅井きんならさつきまでその椅子に孔雀を抱いて座つてゐたよ 10key

浜美枝と植木等の大手町サラリーマンの息づく聖地

紙巻の煙くゆらせ原泉(はらせん)は何かを待つといふのでもなく


みなさん、月曜日ですよ。

2015/09/27

■それを「いのうえ」と呼ぶことにしたわけだが

こちら(↓)です。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/09/blog-post_21.html


ならば、こちらはどうだろう?

ササキサンを軽くあやしてから眠る  榊陽子

この句も「いのうえ系」と思しきものの、

A:「ササキサン」という〈例えば特別親しいわけではないがなんとなく気にはしている仕事関係の知り合い〉的な人〔*〕。彼/彼女との関係。

B:「あやしてから眠る」という母子関係と強く結びつく行為。

このAとBのあいだの断絶・段差が、この句の魅力(コクが深い)。元祖「いのうえ」よりは「わけのわからなさ」が薄まっているとも言えそうです。

その際に「軽く」と文字どおり軽くいなして/かわしてあるところも、なかなか。


それにしても「いのうえ」とか「ササキサン」とか、世の中は不思議な事物で溢れております。



〔*〕中嶋憲武・スズキさんシリーズを思い出したりしましたよ。

【参考】
柳本々々:あとがき全集
http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com/blog-entry-232.html