2015/12/04

【句集をつくる】第6回 連作ユニットの件




前回・前々回のオカネの話からがらっと変わって、今回は内容の話です。

「5句から数十句単位の連作の集合にするスタイル」というアイデアについて第3回に書きました。

連作のタイトルは(ゆるやかな)詞書/前書として作用することがある。そう気づいたので、その考え方を実行しようと思います。

≫流体力学 10句
http://sengohaiku.blogspot.jp/2014/01/haikuworks1_31.html

「河童」と明示せずに10句全体の詞書として「流体力学」。この体(てい)で行こうという考え。したがって、一句の中の一語(熟語等)を抜き出してタイトルにするという、よくあるやり方は、きほん、しません。それが〈ゆるやかな詞書〉になっている場合を除いて。

さて、実際の作業は、新しく連作として何句かをまとめていくほか、例えば上記「流体力学」10句を生かす、あるいは元にして加減(足したり引いたり)していく、推敲するという作業。ほんとうの詞書にした書名を生かすかどうかを含めて検討(この大真面目な冗談は、きっと残します)。

もうひとつ、土台になる連作例。

≫俳風昆虫記〔夏の思ひ出篇〕 99句
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2012/09/99.html

これは『けむり』収録句を除くと81句。これを元に加減乗除。

さらに。

≫走れ変態 9句
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/07/9.html

これは当時のタイミングでの座興の要素が強いので、また変態句を一箇所にまとめると、変態を収容所に閉じ込めておくようで(というヘンな理由で)、バラして、他の連作に紛れ込ませることにしましょう。「暮らしの中の変態性」。

といったあんばいで、『けむり』以降、いろいろなところに掲載していただいた連作を机上に/俎上に載せて、切ったり貼ったり赤を入れたり補充したりという、楽しい作業が、まず待っていますね。補充用に、バラの句も用意しつつ。

このように考えていくと、句数が足りているような錯覚に陥るから、不思議です。


ま、そんなこんなで、なにはともあれ、楽しく行きましょう。

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