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『藍』第552号(2020年10月1日)は花谷和子(1922 - 2019)の追悼号。花谷清抄出の「花谷和子の百句」を下六の観点から読んでみた。
手ばなせし家避け通る露にまみれ 花谷和子(以下同)
子供の日の頃の迅さで泥鰌遁げる
いま乾くとも炎昼の水打つ母
月光がいまてのひらに深夜の色
金魚の朱しずめ朝から瀟洒な雨
以上、1962年刊の第一句集『ももさくら』より。抄出とはいえ20句のうち5句だから、頻度は高い。昭和半ばには、男性俳人と限らず、下六が積極的に採用されていたのでしょう、きっと。
前掲のうち下五に収めることが容易にできそうな句も(例えば、露に濡れ、泥鰌逃げ、夜の色)、あえて下六。ここまで言うのだ、という覚悟のようなものが韻律に勁さを与えている気がします。
もっと下六が試みられていいように思います。
ラヴ&ピース!
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