2015/09/08

■箱庭をめぐって

俳誌『静かな場所』には毎号、「田中裕明の一句鑑賞」。同人諸氏による田中裕明句鑑賞のページだが、第15号(2015年9月15日)には、鴇田智哉による鑑賞文を掲載。

箱庭にありし人みな若かりし 田中裕明『夜の客人』

を取り上げ、次のように書く。
夏の昔を思うとき、人はうっすらと青い。それは、昔を思い出している今の作者もそうだ。机にいるのなら、机にいるまま、一人で、作者はうっすらと青い存在になっている。(鴇田智哉)

併せて、鴇田智哉は、この号の巻頭に招待作品「石を売る」15句を寄稿。

箱庭を斜めにみると遠ざかる  鴇田智哉

トリビュート(頌)。

時間の遠さ・距離の遠さが、つまり「青」のイメージなのだろう。

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