2017/12/16

■冒頭集:チェスタトン

《昇る太陽》という名のその宿屋は、「沈みゆく太陽」といったほうがしっくり似合う外観をしていた。この宿屋は、狭い三角形の庭に立っていたが、庭は緑色よりも灰色が強く、崩れ落ちた生垣が、メランコリックな河芦とまじりあい、屋根も腰掛もともに潰れた暗く湿っぽい四阿があり、薄汚れた、水の出ない泉のほとりには、雨風に色あせた水の精の像が立っていた。G・K・チェスタトン『詩人と狂人達』(福田恆存訳/国書刊行会/1976年)

なんだかこなれない翻訳(ビッグネームなのに!)。だけど、情景描写が終わって物語が動き出すと、すんなり話に入っていけますよー、みなさん。

ラヴ&ピース!

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