ぼくらの周囲であらゆる種類の変化が急速に進展してきている。社会上の、政治上の、文化上の、その他どういうふうに呼んでもいいが、とにかくさまざまな変化が起きている。その変化のエネルギーの中心になっているのがロックン・ロール音楽である。そういう信念のもとに『ローリング・ストーン』誌は発刊された。そして、今もその信念に変りはない。実際のところ、第二次世界大戦以降に育ってきたぼくらの数多くの者にとっては、ロック・アンド・ロールは、ぼくらが一体何であり、この国でどういう位置にあるのかということを初めて革命的に見通す目を与えてくれるものであった。ぼくらは、おとなたちに教えられてきたプラスチック製のアメリカ神話の背後に本当のアメリカ合衆国があるのだということを、あのアイゼンハワー/ウォルト・ディズニー/ドリス・デイという表面の背後に本当のアメリカがあるのだということを、初めて知ったのだった。ファンキーで、荒々しく、深く分裂し、絶望的で、意気揚々としていて、豊かな歴史のある伝統に根ざしており、多様な人種から成る本当のアメリカを発見したのだった。(…)
ジャン・ウェナー「まえがき」:『ローリングストーン・インタビュー集1』(三井徹・菅野彰子訳/草思社/1974年)
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