2021/09/15

■葉やら花やら 『静かな場所』第27号より

からみたる花もろともに草取りぬ  藤本夕衣

花を抜くのはどんな花でも心理的抵抗がある。美醜の問題(つまり花は美しかったり可憐であったりする。一般に。葉や茎と比べて)ばかりではなく、花をつけ、品種によってはやがて実をつけるという過程を思う(つまり、比喩へも繋がる開花、結実)からかもしれない。

けれども、いちいち花を選り分けて、というわけにもいかず、「もろともに」引き抜くことになる。花摘みを楽しんでいるわけではなく、草むしりをやっているのだ。

引き抜く瞬間を詠んだ句ですが、その一瞬前の逡巡にようなものが読み取れます。

ラヴ&ピース!

掲句は『静かな場所』第27号(2021年9月15日)より。

0 件のコメント: