2021/09/19

■捻れた梯子 『LOTUS』第48号より

春ふかく梯子捩れしままつづく  三枝桂子

捩れるのだから縄梯子なのだろう。かなり長いやつ。

と、これは現実の景。

それとは別に、DNA構造を連想するので、そうなると、「ふかく」という時間を示す語が、さらにもっと大きな時間も連想させ、「つづく」の語もまた、モノばかりではなく、時間へとイメージが連結される。

具体的で即物的な景と同時にモデルや概念の像が、読者の目前に展示される。

掲句は『LOTUS』第48号(2021年8月)より。

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