2013/06/20

■「ビッグマックとナイキがあれば満足という人が99パーセントを占める世の中なんて絶対に認めたくない」という女の子

…が主人公の映画『ゴーストワールド』(2001年/テリー・ツワイゴフ監督)がとてもおもしろかった。

人気コミックの映画化だそうで、この映画、まったく知りませんでしたが、当時、アメリカにも日本にも熱狂的なファンがいたのだろうなあ。

アメリカの田舎町。高校卒業後、いわゆる進路もなく、世の中と自分のミスフィット(不適応)をギシギシ軋ませながら、SPレコード蒐集家の中年男性(スティーヴ・ブシェミ!)という違ったタイプの不適応者に関心を寄せる主人公役のソーラ・バーチという女優が抜群にいい。のちに大人気女優となる友人役、スカーレット・ヨハンソンがかすんでしまうほど、いい。

世の中とうまく折り合いをつけられないとくに若い子の魅力。その時期、身体的・性的にも自分を持て余して未整理な感じが、主人公のファッションも含めてよく映像化(イコン化)されている。

昨今よく言われる「こじらせ」というのとは違う(こじらせは内的な感じが強く、年齢的にはもうすこし上からの症状・現象?)。いわば「軋み」「軋ませ」。

ああ、いやだいやだ、わたし、どうすればいいんだろう?という、世の中や人生のとばぐちに立ったときのあの感じは、時代にかかわらず青春物語、青春映画だなあ、と。


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