2014/09/12

■長谷川四郎の歌

「歌」は、「詩」「ポエム」とも「短歌」とも違う。歌詞ともちょっと違う。それらと関連はあるんだけれど、「うた」という大きなものがある。

潾二郎つながりで、長谷川四郎。

『原住民の歌』(1972年・晶文社)に入っている歌は、メロディーもつく感じの歌です。このところ近くに置いて、何日かに一度、ページをめくる。そんな感じで愛しております(いちどきに読むのは1~2ページ)。

引いてみます。



病人の歌(全)  長谷川四郎

ひとがいう
おまえは熱が七十七度
おまえの目はみどり色
おまえの舌はまっきいろと
まっくろの
ダンダラジマ
おまえは病気だ
おまえはくたばり
かかっているよ
いや
ぼくはぼくの暴風
ぼくはぼくの難破
ぼくはぼくの暗礁
ぼくはぼくの漂流
ぼくはぼくの
つかまっている木片
そしてぼくはぼくの
朝凪ぎだ



昼ごはん前のひととき、こういうのを読むと、もう、なんか、とてもいいかんじになってしまうのですよ。

「自分は自分で行くよ。ごめんな」てなかんじで。


過去記事≫余白は余白のまま
http://sevendays-a-week.blogspot.jp/2014/07/blog-post_12.html



絵もなかなかよろしいのです。どの絵も「ぼくはぼくの漂流」な感じで。


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