2015/10/07

■閒村俊一句集『拔辨天』受賞を祝う会へ

神楽坂の飲み屋へ閒村俊一さんの受賞祝賀ということで、あの句集が「一行詩」か? 「詩」か? というちょっとした引っ掛かりはあるものの出かけてみると、始まり時刻一分前の店内はすでに大勢の熱気で噎せ返り、気後れしておそるおそる覗いている私を呼ぶ大声に振り返ると、閒村さん本人で、どうもどうもとそれで挨拶は済んだわけだから、会費を払ってとっとも帰ってもよかったのだが、まあ、いちおうと入ってみると、知り合いは句集『天使の涎』が話題沸騰の北大路翼氏のみという場違い感で、どうしようかととまどいつつ座っていると、台東区方面から知り合い二名様、いつもどおりさして意味のない会話、だけどこれが意外と大事で楽しいんなんだよねという雑談で一時間あまりをやりすごしたのち、終わるまで一人飲みで待ってるわという嫁はんが待っているはずのサイゼリア(格安店)へ、台東区知人に「あれをイタリアンと言うかよ」と突っ込まれつつ到着すると、果たして嫁はんは赤ワインのデカンタをほぼ飲み尽くしてはいたが、さらにワインを注文し、四人で軽く飲み喰いしつつ、やっぱりここでも意味のない会話、例えば「句集はどうなってる?」「え? 句集なんて出すの? いつ?」「三、四年後? いやもうすこし早いかも」とかなんとか言ってるうちに十一時をまわり、ではそろそろと格安イタリアン、あくまでイタリアンを出て、台東区住民御二人様は神楽坂に群れなすタクシーの一台にお乗りあそばされる一方、私たち夫婦は東西線は早く感じるねえなどと言いながら地下鉄に揺られつつ帰路。

閒村さんの俳句は好きだし、徹底して「虚」しか書かない態度は大いに注目しているので、今回の受賞はとりあえずめでたく、集まりの前の時間には神楽坂の路地を散歩できたし、「良い晩だなあ」ということで火曜日の夜は更けていったわけです。


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