2018/09/12

■冒頭集:葉真中顕

 その部屋には、死の海が広がっていた。

 国分寺駅の南口から、徒歩一〇分足らず。住宅街の一角に建つ、五階建ての単身者向けマンション『ウィルパレス国分寺』。近年流行りの落ち着いたデザインで、外壁には白を基調にダークブラウンをアクセントとしたサイディングが施されている。
 奥貫綾乃が四人の男たちを率いてそのエントランスに到着すると、オートロックのスライドドアが内側から開けられた。
葉真中顕『絶叫』(2014年/文社)



葉真中顕は、この名で作家デビューする以前、ネット上にエンターテイニングかつ明晰な記事を書いていた頃からのファンです。

『ロスト・ケア』(2013年)は面白く読んだ。続く『絶叫』は最高に面白かった。『ブラック・ドッグ』(2016年6月)は途中そうとうきつかったが、なんとか最後まで読んだ。『コクーン』(2016年10月)は途中で投げ出した。これらは、各作品の出来栄えよりも、私との相性が大きいのだと思う。

今年8月には新刊『凍てつく太陽』が出た。これまで、◯→◎→△→☓、と来ているわけで、「もういい」という選択肢もありますが、やはり買って読もうと思っています。

ラヴ&ピース!


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