2012/12/26

美しい日本語 vs 美しくない外国語

『俳句界』2013年1月号をめくっていたら、こんなものが。
日根野 英語、ドイツ語など西洋の言語と比べて、日本語は美しいと言いますか心地よいですね。

八木 それは音楽アクセントだからです。西欧の言語の大部分は強弱アクセント、日本語やフランス語は音楽アクセントです。ドイツ人と話していると叱られているみたいです。
これ、「美しい日本語」という特集のなかの「美しき日本語 音声表現考察対談 八木健(俳人・元NHKアナウンサー)×日根野聖子(俳人)」の冒頭。

「美しさ」について語る言説が「醜悪」となる例はめずらしくないけれど、のっけからこれだから堪らないです。

何語が美しいとか、何語が美しくないとか、あるいは「西欧の言語の大部分」と言っておきながら「フランス語は」というシッチャカメッチャカに始まり、「このお二人、何をアホウなことをおっしゃっているのでしょうか?」つうような対話が以降も続きます。たった3ページで終わっているのは、対談させてみたものの、さっぱり使えなかったという編集上の事情と拝察いたしました。

「美しい日本語」とか「美しい日本」とかという切り口からは、ロクなものが出てこないということですね。


「ことば」は美しいかもしれないです。美しい瞬間があるかもしれません。その「美しさ」とは何だろう? その「瞬間」はどのように訪れるのだろう? と、ドイツ人と会話したことも叱られたこともない私、「西欧の言語」を知らない私、それどころか日本語もあまり知らない私は、貧弱なアタマを絞って、ことばの美しさについて、誠実に考えていこうと思いましたですよ。

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