2014/11/05

■ことば崩し

きゅういち句集『ほぼむほん』(2014年9月/川柳カード)より。

人事部の目があたかもを置いてゆく  きゅういち

「あたかも」という語が、名詞、それもブツのように扱われる。これは俳句ではちょっと見かけないやり方。

今更を並べ終えれば渚かな  同

これも同じパターン。ほかにもあるかもしれない。

「あたかも」も「今更」も見えないし、触れられない。なのに、それらがそこに在るかのように読む。

文法を崩しに、さらには、語の基本属性を崩しにかかるわけです。


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