きゅういち句集『ほぼむほん』(2014年9月/川柳カード)より。
人事部の目があたかもを置いてゆく きゅういち
「あたかも」という語が、名詞、それもブツのように扱われる。これは俳句ではちょっと見かけないやり方。
今更を並べ終えれば渚かな 同
これも同じパターン。ほかにもあるかもしれない。
「あたかも」も「今更」も見えないし、触れられない。なのに、それらがそこに在るかのように読む。
文法を崩しに、さらには、語の基本属性を崩しにかかるわけです。
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